水回りや外壁の隙間を埋めるコーキング材。近年では、100均などで売っている補修材を使ってDIYで補修する人も増えてきましが、一時しのぎでしかありません。やはりきちんとした道具を揃えて挑みましょう。コーキングガンがあれば、効率良く作業を進める事ができますよ。そこで今回は、コーキングガンの種類と選び方を解説しながら、おすすめをランキング形式でご紹介します。使いやすいコーキングガン選びの参考にして下さいね。
コーキングガンの特徴
水回りや外壁などの隙間を埋めるコーキング剤を注入するための道具
防水性や気密性を確保するために、隙間を埋めることをコーキングといいます。コーキング材は通常、カートリッジやフィルムパックに入っており、粘性もあるためそのままでは隙間へ注入することが非常に困難。効率良く作業をするためには、コーキングガンが必要なのです。
ノズルを使用することで様々な場所への作業が可能
カートリッジの先端を切ってから押し出すようにして使用するコーキングガンですが、先端にノズルを付けることで色々な場面に対応します。長く伸びた形状のものや先が曲がっているもの、平たく押し出せるものまで形は様々。使用する場所に合わせたノズルが選べます。
コーキングガンの種類
手動式
動力を使わないので初心者でも手軽に導入できる
カートリッジをセットした後、手元のレバーを握ることでコーキング材が押し出される手動式。一般的に広く使われていますので、どこででも手に入りやすいコーキングガンです。安価なものも多いので、まずは1本持っておくことをおすすめします。
メカニックな部分が無い分、軽くて扱いやすいのもこのタイプの魅力です。取り回しが良いので、狭い場所での作業にもぴったりです。また、握る強さによって細かな調整が可能なので、使い慣れると手放せなくなりますよ。
電動式
使うのに力がいらず手が疲れない
手動式では、作業中何度もレバーを引かねばならず手が疲れるというデメリットも。電動式ならトリガーを軽く引くだけで吐出されるので、疲れを軽減できます。また、安定した吐出量を保てるので均一な仕上がりになるのも魅力です。
電動式の多くは充電式のために本体が重くなります。そのため、高所での作業が長くなると腕に負担がかかることも。とはいえ、握力の疲労は軽減されますので、短時間の頻繁な作業が多い人や効率を重視する人におすすめです。
エアー式
エアーの圧力を調整することで吐出量が調節できる
コンプレッサーからのエアーの圧力を調整することで、太くも細くも吐出量を調整できるエアー式。本体も軽く、力のない人でも取り扱いが簡単です。また、均一に吐出できるので綺麗な仕上がりを目指すならこちらがおすすめ。
コンプレッサーに繋ぐ必要があるため、ホースの届く範囲でしか作業ができません。そのため、自由にあちこち移動しての作業には適していないタイプと言えます。しかし、ホースの届く範囲であれば、パワーのあるエアー圧力で線だけでなく面での吹き付けに対応しているものもありますので、幅広い用途で使用が可能です。
コーキングガンの選び方
使い方で選ぶ
少量の使用ならカートリッジ式
コーキング材の形状によって、使用するガンは変わります。最も多く出回っているのが、プラスチックのカートリッジに入ったタイプ。このタイプは、中身が残った際にも先端に別売りのキャップをつけることである程度の期間なら保管が可能です。あまり広範囲に使用する予定がないなら、カートリッジ対応のコーキングガンを選びましょう。
ゴミを減らしたいならフィルムパック式
ソーセージのような形状をしたフィルムパックタイプも主流です。こちらのタイプは、中身がなくなった後はペタンコになるのでゴミを減らすことができるのが魅力的。大量に使用しても、ゴミが少なくて済みますのでエコロジーですね。カートリッジとフィルムパック両方に対応しているコーキングガンもありますので、シーンに合わせて使い分けることも可能です。
プロ仕様の2液剤を使うなら吸い上げ式
主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使用する2液式。トナーを混ぜて着色することも可能です。慣れないと扱いにくいため、専らプロの業者向けです。ペール缶に入っており大量なので、外壁など広い範囲で使用する際に便利。ボリュームのある肉厚な目地が打てます。こちらはカートリッジやパック入りでは無いため、専用の吸い上げ式ガンを使用して下さい。
機能で選ぶ
綺麗な仕上がりを目指すなら液垂れ防止機能付き
カートリッジ内に圧力をかけてコーキング材を押し出す仕組みのコーキングガン。レバーを離しても圧力がかかった状態になるため、ノズルの先端から余計なコーキング剤が出てくる液垂れを起こしてしまいます。せっかく綺麗に仕上げた目地も、液垂れで台無しになるのは避けたいもの。そんな時は液垂れ防止機能つきのコーキングガンを選びましょう。レバーを離すと圧力が抜ける仕組みになっている為、液垂れを防止できます。
作業効率を重視するなら回転機能付き
狭所や色々な角度での作業が多いなら、是非回転機能付きを選びましょう。作業途中に角度を変える必要がある時でも、本体を回転させるだけで持ち替えずにそのまま作業を続けることができます。また、同じ角度を保ちながらの作業に疲れた際も中断することなく体勢を変えられますので、効率に加えて疲労軽減効果も期待できますね。
容量で選ぶ
補修や小さいスペースの施工には定番の330ml対応のものを
カートリッジ式の場合、いくらノズルキャップを付ければ保存が可能とはいえ、長期間放置していると劣化は避けられません。大量に余って捨ててしまうのはもったいないですよね。なるべく余らせないためには、使用する分量に合わせた容量のものを選びましょう。あまりたくさん使わないのであれば、330ml入りで十分です。
外壁など大きなスペースで使用するなら大容量対応のものを
効率良く施工するために、大量に使用する際は大容量のものを選んで下さい。少ない容量のコーキングガンを使用していると、作業途中に何度もカートリッジを交換しなくてはならずその都度手が止まってしまいます。600mlや800mlなど様々なサイズがありますので、対応するコーキングガンのサイズをチェックして選んで下さいね。
コーキングガンのおすすめブランド・メーカー
山本製作所
コーキングガンの専門メーカー
大阪発、コーキングガンに特化した専門メーカー山本製作所。使用後の掃除が大変なコーキングガンの短所を改善したらくらくシリーズを制作しています。また、コーキングガンには珍しいカラーバリエーションを取り揃えているのも魅力です。
makita(マキタ)
現場作業の電動工具ならこのメーカー
インパクトドライバーや丸鋸など電動工具で有名なmakita。コーキングガンも電動のものがラインナップされています。道具間で充電バッテリーに互換性があるので、makitaの製品を複数持っていればいざという時に便利です。
TAJIMA(タジマ)
軽量性に優れたコンボイシリーズ
スケールからハーネスまで、現場作業に必要な道具を幅広く製造するTAJIMA。コーキングガンでは、人気のコンボイシリーズを多数展開していますよ。機能を充実させながらも軽さを追求し、作業スピードや取り回しの良さを実現しています。
PCCOX(ピーシーコックス)
コーキングガンを開発した元祖コーキングガンメーカー
イギリス発祥のコーキングガンメーカー、PCCOXの日本輸入販売会社。ガンのメカニズムを開発したメーカーだけに、他にはないノウハウでOEM製品の企画製造も行っています。2成分式という、カートリッジが2本入るガンを製造しているのもこのメーカーならでは。
コーナン
オリジナルのPB商品も多数販売
日本各地に店舗を拡大する大型ホームセンター、コーナン。家庭用品から工具まで幅広く揃いますが、オリジナル製品の製造販売も盛んに行っています。PB商品ならではの低い価格設定で、コーキングガン初心者でも手が出しやすいのが魅力です。
おすすめ&人気のコーキングガンランキング
手動式でおすすめのコーキングガン
TAJIMA(タジマ)-コーキングガン コンボイV(1,210円)
液垂れ防止機能搭載の軽量タイプ
一般的な330mlカートリッジ対応のコーキングガンです。ABS樹脂で作られており、わずか315gと超軽量化を実現。長時間の使用は疲れやすくなる手動式ですが、本体が軽いため疲れにくいのが嬉しいですね。
また、コンパクトなボディで取り回しも良く、狭い場所や無理な体勢での作業に便利です。さらに、この価格ながら液垂れ防止機能も搭載。疲れにくく、綺麗な仕上がりを目指すことが可能なコーキングガンです。
山本製作所-カートリッジガンYCG-2300HC(3,080円)
長期間の使用によるぐらつきを解消
特許出願中のスライドバー設置で、いつまでも変わらない使い心地を実現したコーキングガン。徹底的に耐久性を追求し、長い期間の使用でもぐらつかない工夫が施されています。頻繁に施工をするプロの方にもぴったりですね。
堅牢な本体ながら、スムーズにレバーが動くので軽い力で作業が出来ます。高粘度の材料も楽々押し出せますよ。カートリッジタイプですが、別売りのホルダーを使用すればフィルムパックの材料も使用可能です。
PCCOX(ピーシーコックス)-ウルトラフローガンUF330C(5,060円)
ハイパワーな押し出しで高粘度の材料に最適
元は自動車ガラス用の非常に高粘度な材料を押し出すために作られたコーキングガン。その為、高粘度な材料の押し出しで負荷がかかっても、本体が変形することなく、丈夫で長持ちです。ガラス周りや工業系などの、高粘度材料をよく使う人におすすめ。
丈夫さだけでなく、握り込みの軽さも特筆するべき点です。元祖コーキングガンメーカーであるPCCOX製品の中でも、一番のハイパワーを誇る手動式ガンならではの軽い使い心地。材料の硬くなりがちな冬場の作業にも重宝します。
山本製作所-シリンダーガン らくらくMB(8,778円)
吸い込み式で多く打ちたいプロ向けモデル
汚れが落ちやすく掃除が楽なアルマイト加工を、シリンダーの内部にも施したシリンダーガン。どうしても内部の掃除が大変になる吸い込み式の弱点を払拭しました。アルマイト加工には汚れ落ちだけでなく、ピストンの動きがスムーズになるというメリットもありますよ。
最大550mlまで材料を充填できる大容量も魅力の一つ。大量に打ち込むことの多い、プロの方にもおすすめです。また、現場用の道具には珍しくカラーバリエーションも豊富なので選ぶ楽しみもありますね。
コーナン-オリジナルコーキングガン スタンダード(217円)
初心者も取り入れやすいスタンダードモデル
ホームセンター・コーナンのオリジナルコーキングガン。シンプルな作りで、まずは試しに使ってみるには十分な性能です。補修ぐらいしかしない方や、全くの初心者で何を選べばいいか分からない方にもおすすめです。
なんといっても、非常に安価なのがこちらのコーキングガンの魅力。使用するにつれ、コーキング剤がガン本体にこびりつくのは避けられない悩みです。その度に掃除をするのは大変ですが、こちらのコーキングガンなら躊躇わずに買い換えることが出来ますよ。
電動式でおすすめのコーキングガン
makita(マキタ)-充電式コーキングガン CG100DRF(27,060円)
速度調整機能付きでより作業がしやすい
最大押出速度と押し出し量、2種類の調整機能で作業効率がアップ。押し出し量の調節は手元のトリガーで吐出しながら調整できるので、出し始めの微調整に便利です。コーナーの施工など微調整が必要な場面も綺麗に仕上がりますね。
液垂れ防止や360度回転など、あると嬉しい機能も標準装備。他にも、大きな負荷がかかった際には自動停止し、カートリッジと本体を守る機能もついています。作業効率と安全性を兼ね備えた電動コーキングガンです。
PCCOX(ピーシーコックス)-イージーパワープラス(39,270円)
300ml~600mlまで幅広いカートリッジに対応
これ一つで300mlから600mlまでのカートリッジが使えるのが魅力。それだけでなく、カートリッジタイプとフィルムパックタイプ、両方が使用出来ます。カートリッジの大きさや材料のタイプ毎に、ガンを複数所有する必要が無いのは嬉しいですね。
どうしても重くなりがちな充電式ですが、こちらはバッテリーも小さめで軽量化されています。その上、人間工学に基づいたデザインで持ちやすさも追求。長期間置いていても放電しないバッテリーを採用するなど、使う人のことを考えて作られたコーキングガンです。
Panasonic(パナソニック)-充電式シーリングガンEZ3610LA1JH(36,592円)
狭い場所でも楽に作業できる取り回しの良さが特徴
カートリッジ押出棒の引き代が短い2段ラック方式なので、狭い場所での作業が楽になります。手元のダイアルで押し出し量の調節が出来るので、細かな調整も可能。シーリング材の残量表示窓も付いているので、交換の目安が分かりやすいのもメリットですね。
従来のパナソニック製品に比べ、押し出し量が60パーセントアップ。硬めのコーキング剤でも楽に押し出しが出来ます。また、アタッチメントを付け替えることでカートリッジとフィルムパック両方に対応しますので、剤によって使い分けて下さいね。
TAJIMA(タジマ)-コンボイエレキテル(42,900円)
電動の重さを克服したコンパクトなボディ
中抜きされた本体の構造で、他社同等製品に比べて約45パーセント軽量化。圧倒的な軽さを実現しました。長さも約25パーセントコンパクトになり、全体的に小さく作られています。女性や身体の小さな人におすすめですよ。
押し出し速度は、本体お尻の部分についているダイアルで6段階に調節可能。また、回転式ハンドルで作業効率の向上も期待できますね。手動感覚で使えるトリガー式のコントロールで、手動式に慣れた人にも使いやすい設計です。
エアー式でおすすめのコーキングガン
ESCO(エスコ)-エアー式コーキングガンEA123VA-3A(3,336円)
プラスチックの本体で扱いやすい軽量タイプ
工事現場の資材や道具などを専門に扱うESCO。こちらのコーキングガンはエアー式ながら、非常に安価なのが特徴です。エアー式を使ってみたいけど、使い心地がまだ分からなくて不安という方でも気軽に使ってみることができますね。
アルミ製など金属のボディが多いエアー式コーキングガンの中で、プラスチックの本体を採用しているのも特徴。とても軽く、取り回しが楽です。余計な機能の無いシンプルな構造なので、初心者でも安心して使用できます。
アネスト岩田-AIRREX DIY用エアーコーキングガン(6,776円)
手元の減圧弁で圧力調整が可能
コンプレッサーやスプレーガンを主に製造するアネスト岩田。本体側に圧力計と減圧弁を付けることで、手元での圧力調整を可能にしています。その為、都度コンプレッサーまで行く手間がなく作業が中断されません。
減圧により、ピタッと止まる液だれ防止機能付き。コーキング剤を無駄にせずに済みますね。また、余計な場所に垂れることもないので綺麗な仕上がりも実現します。安価ながら機能の充実したコーキングガンです。
山本製作所-エアーフィルムパックガンYPG-1000F(47,300円)
1000mlフィルムパック対応の大容量コーキングガン
1000mlの大容量フィルムパック対応のコーキングガン。とにかく多く打ちたい人におすすめです。大容量対応だとどうしても重くなりますが、ハンドル部を本体中央に設置することで、重量バランスを整え持ちやすくしています。
別売りの山本製作所純正、シリンダーガン用ノズルが使用可能。L型やジャンボカート用など様々な種類のノズルがありますので、状況によって使い分けることが出来ますね。汎用性の高いコーキングガンです。
PCCOX(ピーシーコックス)-ジェットフローガン3(26,950円)
線でのコーキングだけでなく吹付けも出来る両用タイプ
直線の施工とスプレー吹付け、両方で使用できるコーキングガン。また、ゆず肌施工やビード施工など、様々なパターンの施工に対応しています。隙間を埋めるようなコーキング作業だけでなく、シーリング吹付け作業もする人におすすめです。
コンバージョンキットを使用すれば、カートリッジだけでなくフィルムパックも使用可能。また、サイレンサーを搭載し、作業中の騒音を軽減。室内での施工など、音が気になる場所での作業も安心です。軽量素材で取り扱いも楽ですよ。
まとめ
軽い力で扱えるコーキングガンがおすすめ
連続して作業をしていると、手や腕が疲れてくるもの。本体が軽量なのも大事ですが、レバーの握りが軽いものを選ぶと作業効率がアップします。また、強い力で握り続けると本体がブレやすくなるので、仕上がりにも差が出てしまいます。少ない力で吐出できるコーキングガンで、楽に美しい施工を目指して下さいね。