電気工事を行う人にとっては無くてはならない道具である検電器。家庭内でもコンセントや家電製品に使うこともありますよね。しかし、選び方を間違えると重大な事故に繋がってしまいます。そこで、今回は用途に合わせた検電器の選び方とおすすめの人気検電器を紹介します。どの検電器を購入するか悩まれている方は是非参考にしてみてくださいね。
検電器の特徴
電気回路が停電しているかどうかを判別するための電気測定器
肉眼で電気回路が実際に電気を帯びているかどうかを判別することは難しくできませんよね。しかし、検電器があれば誰でも簡単に調べることができます。検電器は電気が通っていれば光や音で通知し、電気が通っていない場合は何も起こりません。
作業時の感電事故防止に必要不可欠
一般的に電気工事を行う際には、電気を一時的に停止させます。もし万が一にも、目の前の電気回路に電気が通っていたとしたら感電してしまいまので、そのような事故を防ぐためにも電気工事前の検電作業は必ず行わなければなりません。また、調べる配線と合わない検電器を使用してしまうことも事故の原因になるので必ず正しい検電器を使うようにしましょう。
検電テスターとの違い
検電テスターは電圧や電流を計測する
検電器と似ているけれども機能が異なる検電テスターというものがあり、間違える人も多いです。検電器は調べたい場所の停電の有無を調査することができます。一方で、調べたい部分の電圧や電流、極性といった詳しい情報まで調べることができるのが検電テスター。詳しく検電したい方には検電テスターのほうがおすすめですが、停電の有無を確認したい方には検電器がおすすめです。
検電器の種類
はく検電器
主に研究や教育の場面で使用される
はく検電器は透明な容器の中に2枚の薄い金属はくを平行に設置したものです。電気を帯びたものを上部の金属に接近させると中の金属はくが反発し、開いて電気を検出します。物理の授業や学校で目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
よく教育や研究の場で静電気の検出に利用されているはく検電器。金属はくの開き方によって、帯電の電気量や正負などの詳細を調べることもできます。構造が単純なため簡単に作ることができるので、授業や研究で実際に製作することもあります。
風車式検電器
電源不要で車輪が回転する
風車式検電器はその名の通り上部に風車が取り付けられた検電器です。電気を帯びている部位に接近させると車輪が回転する仕組みになっています。原理上電源が不要で、いつでもどこでも使えるので非常に便利ですよね。
風車が回ることで視覚的に電気の有無を確認できるので、離れた場所から検電作業を行うことができます。実際には高い位置にある高電圧設備の活線状態を調べるために利用されています。電子パーツを使用していないので故障しにくい点でも優れていますよ。
ネオン式検電器
電源不要でネオン管が発光する
ネオン式検電器はネオン管を内蔵している検電器です。わずかな電流にも反応して発光する性質を有しているネオン管。その光るネオン管の特性を活かした検電器です。つくりが非常にシンプルなので操作が単純で分かりやすく、マニュアルを読むのが苦手な方でも使いやすいですよ。
発光により電気の有無を判別するため明るい場所ではわかりにくく、被覆の上から検電することができないというデメリットもあります。しかし、ネオン管の性質を活かしたつくりなので電源は不必要。低圧用から高圧用まで広く使われていますよ。
電子式検電器
一般的によく使われていて安全性と機能性が高い
電子式検電器は電子増幅回路を内蔵した検電器で、弱い電流を感知すると回路が増幅し、ライトの点灯かアラーム音によって知らせてくれます。電池が必要というデメリットがありますが、被覆の上から検電することができるものや視覚と聴覚の両方で知らせてくれるものもあり安全性にも優れています。検電器の中では最も多機能で使いやすい種類ですね。
持ち運びやすく、様々な回路に使えることから一般的に広く使われている電子式検電器。回路の見方に不安がある方には、電子式検電器がおすすめです。検電器の購入を考えている人の中でも、電子式検電器を選択する方は多いですね。
検電器の選び方
電流の種類で選ぶ
コンセントや一般的な配線などの交流回路で作業するなら交流用
多くの配線には交流回路が使われています。家庭内のコンセントや家電製品への利用を考えている方には、交流用がおすすめです。また交流用の検電器は使用されることが多いので、販売されている商品数も他の検電器と比べて圧倒的に多いです。そのため形や大きさ、値段なども自由に選びやすいですよ。自分に合った使いやすいものを選びましょう。
車や直流電車線などの直流回路で作業するなら直流用
一方で、直流回路が使われる配線もあります。車や太陽光、バッテリーなどの蓄電機器には直流回路が使用されています。使用する部分が交流と直流のどちらであるかを必ず調べてから購入しましょう。間違って直流回路を交流用の検電器で調べてしまうと活線状態を調べることができません。気づかずに電気を帯びている配線に触れてしまうと、最悪の場合は命に関わる重大な事故に繋がります。必ず確認を行うようにしましょう。
適用電圧で選ぶ
家庭のコンセントなど低電圧の配線を検電するなら低圧用検電器
検電器には低圧用と高圧用があります。メーカーによって違いはありますが、大体の低圧用検電器は交流では600V以下、直流では750V以下の電圧において使用できます。一般家庭のコンセントの電圧は100Vですので、家庭用であれば低圧用検電器が1本あれば十分ですね。電気工事士の方でも高圧の配線を調べる機会が無ければ低圧用検電器を購入しましょう。
低電圧と高電圧のどちらの配線も検電するなら高低圧用検電器
高低圧用検電器は1本で、直流と交流の両方に対応していて便利です。直流と交流の両方を使う機会がある方におすすめの検電器ですよ。しかし、高電圧の配線は低圧用検電器で調べることはできません。必ず検電作業の前に、調べる配線の電圧と使用する検電器が、低圧用と高圧用のどちらに設定されているかを確認しましょう。
持ち運びやすさで選ぶ
ポケットに入れて持ち運ぶならクリップ付き
検電器の多くはコンパクトサイズのペン型です。ポケットに入れて持ち運ぶなら、クリップがついていると落ちにくくて便利です。使いたい時に瞬時に取り出せるので、検電作業を効率的に進めることができますよ。検電器は繊細なので落とすと壊れることもあります。検電器の検査できる配線の種類だけではなく、使う際の状況や場所を考慮した形やデザインも検討するようにしましょう。
高所で作業するならストラップホール付き
検電作業を高所で行うという人も少なくないでしょう。作業の際に誤って検電器を落として故障させてしまうということはよく起こります。高所で使用する方には、ストラップで落下を防ぐストラップホール付きの検電器をおすすめします。高所で作業する際に検電器が落ちる心配が無いので、安心して作業に集中することができますよ。
検電器のおすすめブランド・メーカー
長谷川電機工業
検電器に特化した国内有数のメーカー
検電器といえば長谷川電気工業と言われるほどの検電器の有名メーカー。国内でも有数の高いシェアを誇るメーカーです。驚くべきは何といってもその種類の豊富さ。多種多様な検電器を販売しており、その品質は厳しい目を持つプロも認めるほど優れています。
日置電機
安全性の高い日本の電気計測器メーカー
日置電機もとても人気の高い日本のメーカーです。生産する検電器の種類は多くはないですが、どの検電器も機能性に優れていて使いやすいデザインなのが特徴です。創業80年の信頼と実績のあり、消費者に愛されているメーカーですよ。
共立電気計器
主に現場用計測器を取り扱うメーカー
共立電気計器は安全性に優れた日本の計測器メーカーです。現場用計測器のメーカーとして国内外に確固たる地位を築いています。海外市場の開拓も積極的に行っており、海外でも製品の信頼性と知名度はかなり高いですよ。
カスタム
リーズナブルな価格の計測器メーカー
創業以来、ハンディタイプの現場計測器を中心に製造と販売を行ってきた計測器メーカーのカスタム。販売している検電器の種類も豊富でもちろん品質も高いです。価格もリーズナブルで手を出しやすいところも嬉しいですよね。
おすすめ&人気の検電器ランキング
電子式検電器でおすすめの検電器
長谷川電機工業-低圧用検電器 hte-610 (3,080円)
シンプルで使いやすい品質に優れた長谷川電気工業の検電器
シンプルな見た目の検電器。広い電圧に対応しており、AC50Vから600Vまで使用することができます。プロの電気工事士の方が仕事に用いることも多いです。素人からプロまで愛用されている検電器。裸線だけでなく被覆の上から検電することもできます。
カラーは3色展開。また、つまみを調整することで簡単に感度調整をすることもできます。被覆の厚さや電圧、電流によって感度を調節し、うまく使い分けましょう。ペン型でクリップもついているので落とす心配もなく持ち運びにも大変便利ですよ。
日置電機-検電器3480 (2,494円)
音と光で活線状態を知らせてくれる
日置電機のベストセラー商品でもある大変人気の高い検電器です。電気を感知すると赤色発光とブザー音の両方で知らせてくれるため、安全性が高いのが特徴です。電池消耗表示も付いているので安心して検電作業を行うことができますよ。
また、連続で使用できる時間がかなり長いのも特徴です。上部には落下防止のためのストラップホールも付いているので高所で作業する方におすすめです。リーズナブルな価格ですが、品質も優れているので家庭用として使う方にもプロの電気工事士の方にもおすすめできる商品ですよ。
日置電機-検電器3841 (3,140円)
LEDライト付きで暗所での作業に適している
こちらは日置電機の検電器3840の型番違いの検電器で、LEDライトがついています。LEDライトで電池を消耗するため、連続使用時間が少し短くなっています。しかし、暗所で作業する方にとっては、作業する際にライトを持つ必要がないのでおすすめ。
電気を感知すると赤色発光とブザー音の両方で知らせてくれます。また、電池残量を先端の緑色LEDが表示してくれるので安心して安全に作業をすることができます。ストラップホール付きなので高所で作業をする方にもおすすめですよ。
カスタム-検電器V-18 (3,125円)
LEDライトと金属検出機能を搭載
被覆の上から検電可能な非接触式検電器で、AC30Vから1000V で検出可能です。電気を感知すると光とブザー音の両方で知らせ、照明ボタンを押すとLEDライトが点灯するので暗所で作業する方におすすめですよ。三段階で変えられる感度調節機能も付いています。
一番の特徴は、検電器と金属検出器が1本になっていること。どちらも使用するという人におすすめです。金属検出器には機械の個体差や外部からの影響で生じる誤差を自動的に補正するオートキャリブレーション機能も付いています。
共立電気計器 -低圧用検電器MODELDX-04 (4,084円)
検電に加えて電圧を簡易測定することもできる検電器
検電器は調べる配線が電気を帯びているかどうかを判断することしかできませんが、こちらの検電器は簡易的に電圧を測定することができます。計測した電圧の範囲ごとに光るLEDライトの個数が変わることでおおよその電圧の数値を知らせてくれます。もちろん、通常の検電器として使うこともできますよ。
100Vと200Vを判別することが可能で、裸線と被覆の上のどちらからでも使用することができます。50ヘルツと60ヘルツの共用です。価格が少し高くなりますが、それ以上に様々な機能を搭載しているのでとても役に立ちますよ。
長谷川電機工業-交流用低圧検電器HTE610L (2,944円)
LEDライト付きで暗所での作業に使える長谷川電気工業の検電器
裸線と被覆のどちらからでも検出可能で、その際に感度差が無いのが特徴。LED照明もついているので、暗所で作業することが多い人にも便利です。品質と安全性に高い信頼を得ている長谷川電気工業で検電器を探しているという方に、とてもおすすめですよ。
感度はつまみを調整することで自由に変えることができます。また、LEDライトは切り忘れ防止のオートパワーオフ機能がついているので、無駄な電力消費を防ぐこともできますよ。かなりコンパクトサイズな設計でクリップもついているので、持ち運びにも便利です。
交直両用でおすすめの検電器
カスタム-検電器V-17 (3,010円)
直流と交流どちらも1000Vまで検出可能
接触式の交直両用検電器と非接触式交流用検電器が一本になった検電器です。直流と交流で1000Vとかなり広範囲まで検出することができます。接触式測定時には交流直流で電圧が100Vか200Vかを判別する機能も付いていますよ。
その他にも暗所で便利なLEDライト、感度調節機能が搭載されています。直流と交流のどちらも使用し、暗所での作業することがある方はこちらの検電器を選ぶと良いでしょう。クリップ付きで持ち運びにも最適ですよ。
長谷川電機工業-低圧交直両用HT-680-D (5,225円)
直流交流で50V~600Vまで検出可能
品質の高い日本のメーカー長谷川電気工業の検電器です。電気を感知すると光とブザー音で知らせてくれます。交直両用の検電器を探しているけれども暗所での作業は無い方なら、こちらの検電器を選ぶと良いでしょう。
電池消耗節約設計で、電池が長持ちするのが特徴です。電源入切のスイッチが備え付けられていないので、常時使用待機状態でも電池消耗がありません。発光状態の時のみ電池電流が流れるので、検電器の電池、内部電子回路の状態を確認することができますよ。
長谷川電機工業-低圧交流・直流両用検電器HT-670 (4,587円)
リード線により線間電圧(100V、200V)の判別が可能
別で販売されているリード線を使用しますが、線間電圧の判別も可能な検電器です。もちろん、リード線が無くても電子式検電器として使用することができますよ。検電可能範囲は直流交流どちらも50Vから600Vまで対応しています。
電気を感知すると光とブザー音の両方で通知してくれます。交流電流の検電の場合、裸線と被覆線で感度を切り替えることが可能ですよ。直流非接地回路は検電できないので、直流電流に使用する際は確認してくださいね。
高圧用でおすすめの検電器
長谷川電機工業-高低圧交流用HSF-7 (13,750円)
安全な二重耐圧、防水機能付きの高低圧用検電器
交流電圧80から7000Vの広い範囲で検電可能な検電器です。低圧時は断続音、高圧時は連続音が鳴り、高低圧を判別することができます。二重耐圧、防水機能も付いていて壊れにくいため長く使うことができますよ。
電気を感知すると光とブザー音の両方で教えてくれて、白昼の屋外、騒音のある場所でも確認ができるように設計されています。高低圧の切換えスイッチが無いので、難しい操作をせずに簡単に検電を行うことができますよ。接触式の検電器で被覆の上からは使用することができないので、必ず裸線に使うようにしてくださいね。
長谷川電機工業-高圧低圧交流検電器HSS-6B1 (16,280円)
伸縮棒で遠くから検電作業を行える
伸ばした時は815mm、縮めたときは215mmとかなりコンパクトサイズになる伸縮式の検電器。低電圧の検電の際には縮めて、高電圧の検電の際には伸ばして使用します。特に高圧キュービクルや電気室のメンテナンスに適していますよ。
防滴構造で壊れにくく、連続動作時間も8時間としっかり長持ちします。電気を感知すると光とブザー音の両方で知らせてくれます。特に、ブザー音は白昼の騒音の中で作業を行う際も聞こえやすい音量に設定されているので、安心して検電作業を行うことができますよ。
長谷川電機工業-伸縮式高圧・特高用HST-30 (28,135円)
軽量で使いやすい高圧、特高圧用検電器
7000V以上の電圧を感知するのに適した特別高圧用検電器。AC3000Vから34500Vまで使用することができます。伸縮式絶縁棒は危険な設備を検査する時に遠くから安全に確認するために、1382mmまで伸ばすことができます。繊維強化プラスティックを使用しているので軽量で操作性が抜群ですよ。
防水構造で電池消耗を節約する設計が施されています。検知部には衝撃を緩和するY形ばねタイプを採用。また、発光を確認しやすいように検出部の角度を調節することもできますよ。使いやすく品質の高い特別高圧用検電器を探している方にとてもおすすめです。
まとめ
使用する場面や用途に合わせた検電器がおすすめ
検電器を選ぶときは必ず電流と電圧の種類と測定可能な範囲を確認するようにしましょう。特に電圧は高圧、低圧と測定可能範囲の両方を確認しなければなりません。検電器は感電事故を防止し、命を守る重要な道具です。しかし、使用する配線や場所、状況などを考慮して選ばなければ事故に繋がってしまいます。しっかりと確認した上で自分に合った使いやすい形やデザイン、照明などの付属機能を選ぶといいですね。今回はおすすめの電子式検電器を電流、電圧の種類ごとに分けて紹介しました。ぜひ、自分に合った検電器を見つけてみてくださいね。