コンサートやアウトドアだけでなく、美術館での芸術鑑賞にも便利な単眼鏡。用途によって適した倍率などが違うため、何を選んだら良いかわからず、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、初心者でもわかりやすい選び方からおすすめの単眼鏡までご紹介します。購入する際はぜひ参考にしてくださいね。
単眼鏡のメリット
観察対象を絞ってくわしく見ることができる
単眼鏡には近距離用と遠距離用があります。どちらにも共通しているのは観察するものを拡大して良く見るためのもの、という点です。美術品や刀剣などの細かな細工を隅々まで観賞することもできますし、アウトドアではバードウォッチングや植物観察などにも使用できます。また、スポーツ観戦やコンサートでは遠くの対象を見ることができるため、間近に感じて楽しむことができます。
コンパクトだから持ち運びやすい
単眼鏡は、双眼鏡と比べてコンパクトで軽量であることがほとんどです。このため、登山などで首から下げても邪魔にならず、長時間使用するときには腕が疲れにくいなどのメリットがあります。片手で手軽に使用でき、小さいのでバックの中に入れても場所を取りません。
単眼鏡のデメリット
片目で見るので立体的には見えない
単眼鏡のデメリットとしては、片目で対象を見るため遠近感が掴みにくく、立体的に見ることができない点があります。これは、人間は両目で対象の遠近感や奥行きを認識しているためで、片目だけでものを見る場合は平面的に見えてしまいます。このため、遠くの対象を見る場合は、遠近感が上手く掴めません。もし遠近感も掴みたい場合には、双眼鏡を利用することをおすすめします。
単眼鏡の種類
近距離用
美術品や刀剣の観賞に最適
単眼鏡には最短合焦距離が設定されています。最短合焦距離とは、どれだけ近づいて焦点を合わせられるかを表した距離のこと。この距離が短いものの方が、より対象に近づいて見られるため、美術品などを至近距離で観察するのに向いています。
最短合焦距離の短い単眼鏡は、拡大倍率が低めに設定されています。4倍から6倍のものが多く、肉眼で見るよりもはっきりと見ることができます。拡大鏡やルーペの代わりに使用することも可能なため、目の不自由な方にもおすすめですよ。
遠距離用
コンサートやバードウォッチングに向いている
拡大倍率だけで見ても、7倍から大きいもので100倍近くある超遠距離用など、幅広い種類があります。屋外で使用することが多いため耐久性が高いものが人気です。また、耐水性にすぐれているものは雨の日や水辺でも安心して使うことができるため、用途の幅が広がるでしょう。
手ブレの影響を受けやすいため、三脚を使用して固定するタイプや手ブレ補正のついた単眼鏡も売られています。最短合焦距離が長いため、近くのものはぼやけて見えます。ですが、望遠鏡のように使うことも可能で、天体観測にもおすすめです。
単眼鏡の選び方
拡大倍率で選ぶ
美術観賞には最短合焦距離が近いものを
工芸品や絵画、刀剣など至近距離のものを拡大して見たい場合は、最短合焦距離が近いものを選ぶと、ピントが合いやすく使いやすいでしょう。展示されている美術品との距離やガラスケースの大きさにもよりますが、だいたい40cmから60cm程度が目安です。さらに接近して植物などを見る場合には、最短合焦距離が20cm以内のものも販売されています。
遠くを見るときには防振性のあるものを
遠距離用の単眼鏡を使用する場合、遠くのものを見ようとすればするほど手ブレが気になって上手に見られなくなってしまいます。このため、遠距離を見る場合には三脚を使用するのが一般的ですが、持ち物が増えてかさばってしまうのが難点。ですが、防振性のあるものなら、遠距離用でも持ち運びが便利です。荷物を減らしたいときには防振性のあるタイプを選びましょう。
重さで選ぶ
山登りや長時間の使用にはコンパクトサイズが便利
トレッキングや散策などでは、手荷物は少なく軽い方が動きやすいため、コンパクトサイズが便利です。近接用なら手のひらより小さいサイズが売られています。山登りなどで植物観察をする場合にはおすすめですよ。また、長時間使用するような場合には、軽くて持ちやすいものを選ぶと、腕や手が疲れにくく、使用中のストレスが少ないです。
三脚を使う場合は重い方が安定する
重い単眼鏡は高性能であることがメリットですが、持ちにくいことが難点。ですが、三脚に固定して対象を見る場合には、あえて重いサイズを選ぶ方が安定し、ブレずに見ることができます。遠距離用は明るさと視野の狭さを補うためレンズが大きくなる傾向があります。このため、遠距離用は重いタイプが多いのですが、三脚を使えば腕も疲れず、長時間使用することも可能ですよ。
明るさで選ぶ
明るい場所なら明るさが4〜9の範囲内がおすすめ
明るさは、見る対象側のレンズの大きさやレンズの種類によって違います。使用する状況に合っていないと、眩しすぎて良く見えなかったり、逆に暗すぎて見えなかったりすることもあります。目安としては、雲ひとつないような晴天なら4以下、明るい室内や曇りなど普通の明るさの範囲ならなら4から9以下が見やすいでしょう。このため、バードウォッチングや昼間の屋外でのスポーツ観戦などには、9以下に抑えたものがおすすめです。
暗い会場や夜間に使用するなら明るさが9以上のものを
美術館は作品の保護のためにあえて照明を暗くしている場合が多いです。このため、美術館での使用を考えている場合には明るさは9以上のものがおすすめです。また、ナイターや暗いコンサート会場などで使用する場合にも、明るさの数値が低いと上手く見られない可能性があります。状況にもよりますが、明るさの数値は9〜25を目安に選ぶと良いでしょう。
単眼鏡のおすすめブランド・メーカー
ニコン(Nikon)
高い技術力で確かな品質
光学メーカーとして100年以上の実績があるニコン。その歴史に裏付けされた品質は単眼鏡にも生かされており、高性能なレンズはクリアで明るい視界が特徴です。また、デザインにもこだわっており、スタイリッシュで使いやすくスーツにも合うため、ビジネスシーンでも違和感なく使用できます。
ケンコー(Kenko)
コスパの良さで初心者でも安心
ケンコーは1957年創立の光学製品の専門メーカーです。その最大の特徴はリーズナブルで初心者でも扱いやすい性能にあります。単眼鏡に力を入れており、ラインナップも豊富で用途に合わせて選べます。
ビクセン(Vixen)
手ごろな値段で低倍率の単眼鏡が人気
美術鑑賞を楽しむ人の多くが愛用しているビクセン 。値段が手ごろで、初心者でも手を出しやすいのが特徴です。低倍率の単眼鏡がメインで高倍率のものはほとんどありませんが、価格の割りに高性能であると人気です。
サイトロン(SIGHTRON)
軍用にもなるため耐久性がすぐれている
軍隊にも販売している信頼性の高いメーカーです。軍仕様の双眼鏡を単眼鏡に転用したものを販売しているため、コンパクトでも性能が高く、耐久性が高いのが特徴です。迷彩柄の単眼鏡も売られており、サバゲーにぴったりです。
おすすめ&人気の単眼鏡ランキング
近距離用でおすすめの単眼鏡
Vixen(ビクセン)-クイックスコープ 美術鑑賞セット Q6x20(8,127円)
展示品をじっくり観察できる
倍率6倍の単眼鏡と3.5倍のルーペの美術鑑賞用セットです。最短合焦距離が30cmなので、至近距離の対象を見る時に最適です。明るさも10.9あるため、美術館や博物館のような薄暗い室内でもストレスなく使用できます。
高級感のある質感で、ファッションの邪魔にならないシンプルなデザイン。サイズも幅31mmで長さ99mm、重さは89gとコンパクトであるため、観賞に集中できます。また、距離メモリ付きなので、ピントを合わせやすいのもおすすめポイントのひとつです。
Vixen(ビクセン)-マルチモノキュラー4×12 1105-06(8,651円)
超コンパクトで手軽に使える人気モデル
多くの美術ファンに支持されている定番のモデルです。4倍という低めの倍率ですが、最短合焦距離が20cmと短く、美術や刀剣の観賞には十分な性能です。明るさも9あり、手ブレも少ないことから、非常に扱いやすいです。
サイズは幅33mmで長さ58mm、重さは60gと手のひらにすっぽりとおさまる大きさです。単眼鏡初心者でも手軽に使えます。眼鏡をつけていても使用できるため、近眼の方や老眼鏡を使用している方にもおすすめです。
Kenko(ケンコー)-ギャラリーEYE6×16(8,640円)
上品なデザインで女性に人気
美術品観賞にはちょうど良いとされる倍率6倍の単眼鏡です。明るさは7.3で十分に明るい上に、視界はクリアで広く、不便さを感じません。眼鏡対応なので、使用する際に眼鏡を外す手間がないのも嬉しいポイントです。
サイズは幅31mmで長さ75mm、重さは61gと小型で軽量。エレガントな色と見た目で、女性が持っても違和感のないデザインです。付属のネックレスストラップもシンプルで、首から下げていても気になりません。
Nikon(ニコン)-単眼鏡 モノキュラーHG 5×15D(20,130円)
値段は高めだが評価も高い
拡大倍率5倍で明るさ9と、とてもバランスの良い単眼鏡です。視界は非常にクリアで広く、高品質。薄暗い美術館でも屋外でも安心して使用できます。最短合焦距離が60cmと少し長めなので、美術品などと少し距離がある場合に重宝します。
サイズは長さ71mm、重さ75gと小さめ。眼鏡をかけたまま使用も可能です。また、手ブレが気にならずはっきり見えるので、観賞に集中できる点も高評価です。多少値段が高くても失敗したくないという人におすすめです。
池田レンズ-ギャラリースコープ6倍 KMS-616(9,075円)
付属のスマホアダプターでスマホ撮影も可能
最短合焦距離25cmにもかかわらず至近距離の倍率が7.6倍、遠距離6倍と、幅広く使える単眼鏡です。美術観賞や植物観察からバードウォッチングやコンサートなど、マルチに使用したい方におすすめです。
別売の高輝度LED付マイクロレンズスタンドを使用すると20倍まで拡大でき、顕微鏡としても使用できます。サイズは幅31mmで長さ72mm、重さは65gで、首からかけても気になりません。眼鏡を着用したまま使用も可能です。
遠距離用でおすすめの単眼鏡
SIGHTRON(サイトロン)-TAC-M728 【軍用単眼鏡】(12,380円)
過酷な状況でも使える安心の耐久性と耐水性
拡大倍率7倍で明るさ16あり、日中の風景はもちろん、夜間に月や星を観測することも可能です。軍用の双眼鏡を単眼鏡にしたもののため、耐久性に優れており、完全防水なので雨の日や水辺、湿度の高い場所でも安心して使用できます。
サイズは幅39mmで長さ120mm、重さは145gで少し重め。ミリタリーの柄が特徴的です。同じミリタリー柄のケースもついており、持ち運びに便利です。照準を合わせるレティクル入りで、対象物の大きさや距離が測定でき、サバゲーなどの使用におすすめです。
Kenko(ケンコー)-単眼鏡 7×18 7倍 18口径 100882(1,922円)
ダントツで値段が安い
倍率7倍の単眼鏡では、かなりリーズナブルな価格です。サイズは幅36mmで長さ92mm、重さは50gとコンパクトサイズで、荷物の邪魔になりません。目に当てたまま片手でピント調節ができるので、操作性も十分です。
明るさが6.8と低めなので、日中の屋外での使用に適しています。登山などで遠くの文字を読む場合にも不都合なく使え、幅広く活躍できる倍率です。安くてコンパクトな単眼鏡を求めている場合にはおすすめです。
GOSKY(ゴスキー)-単眼鏡 望遠鏡 12 × 55(13,200円)
アウトドアで大活躍する性能
倍率12倍の高倍率でコンサートやスポーツ観戦、バードウォッチングにぴったりの単眼鏡です。重さは400gほどで重めですが、三脚に取り付けることができます。長時間の使用や安定して見たい場合などは、三脚を使用すると良いでしょう。
スマートフォンを取り付けることができ、動画や写真の撮影も手軽に行えます。視野が広く明るさも十分で、日中の使用はもちろん、夜間に月などの天体観測も可能。高倍率の単眼鏡の中でもコスパが良いと評判です。
Vixen(ビクセン)-マルチモノキュラー8×20(9,032円)
高倍率なのに至近距離まで幅広く使える
8倍という高倍率にもかかわらず、サイズは幅35mmで長さ102mm、重さは80gと携帯するには十分な小ささと軽さを備えています。また、最短合焦距離が短いことも特徴のひとつで、近くも遠くも見られます。価格もリーズナブルで、コスパの良い単眼鏡です。
明るさは6.3で少し暗め。明るい屋外での使用に適しています。また、25cmから無限遠までピントが合うため、あらゆるシーンで使用可能であることも大きなメリット。持っていても損がない単眼鏡です。
Leica(ライカ)-単眼鏡 モノビット 8×20 40390(61,600円)
高価だが文句なしの性能
ドイツのメーカー、ライカの単眼鏡。倍率は8倍で、そのまま使用した場合の最短合焦距離は約1.8m、付属のクローズアップレンズを使用すれば25cmまで近寄ることができ、これひとつで美術鑑賞からアウトドアまで使うことができます。
水深5mまでの耐えられる防水加工が施されており、耐久性も十分です。対物レンズ、接眼レンズ共に水滴をはじくライカアクアデュラコーティングが施され、雨の日に使用してもはっきりと見ることが可能です。価格に似合った性能で、ファン憧れの単眼鏡です。
超遠距離用でおすすめの単眼鏡
GOSKY(ゴスキー)-20-60 X 80(26,044円)
天体観測にも使える高倍率
高倍率な単眼鏡で、望遠鏡のように使用することができます。三脚も付属しており、定点観察するのにぴったりの単眼鏡です。スマートフォンを取り付けることも可能なので、動画や写真の撮影も手軽に行えます。
生活防水機能も備わっており、悪天候時でも安心して使えます。夜間の天体観測に使用しても、明るさは十分でクリアに見られます。倍率は20から60倍までズーム可能。日中のバードウォッチングにもおすすめですよ。
SIGHTRON(サイトロン)-遠近両用25倍ズーム単眼鏡 SAFARI 8-25×2(6,754円)
50cmからピントが合う遠近両用の単眼鏡
最短合焦距離50cm、拡大倍率25倍を実現した高性能の単眼鏡です。超高倍率でありながら重さは140gしかなく、片手で使用することが可能です。本体に対象物までのおよその距離がわかる目盛が印字されており、ピントを合わせる時に役立ちます。
倍率は8倍から25倍まで調節可能。倍率調整にアタッチメントなどを装着する必要はなく、これひとつだけで美術観賞などの至近距離から遠くの景色の確認まで使用できます。マルチに使用したい方におすすめです。
Vixen(ビクセン)-フィールドスコープ アロマ52-A(16,880円)
コスパが良く初心者にぴったり
付属の接眼レンズAL25で25倍に拡大して見ることができます。片手で持てるようグリップがついていますが、重さが460gあるため、三脚と合わせて使用した方が良いでしょう。接眼部は45度上向きに傾斜しているため、覗きやすい仕様になっています。
また、別売の接眼レンズを使えば、15倍から40倍ズームができます。本体の下部にレンズをしまえるポケットがついているため、素早いレンズ交換が可能です。性能は価格とのバランスが良く、バードウォッチング初心者や子供の入門機におすすめですよ。
Nikon(ニコン)-PS316-48X フィールドスコープ PROSTAFF 3(28,061円)
眼鏡をかけたままでも見やすい
16倍から48倍まで拡大してみることができる、ズームレンズ一体型の単眼鏡です。16倍で使用する場合の明るさが14.4あるため、暗くて見えにくいということがありません。最短合焦距離が10mなので、それ以上であれば16倍でクリアに見えます。
サイズは幅74mmで長さ313mm、重さは620gとシンプルで使いやすいデザイン。超遠距離用の単眼鏡としてはコンパクトです。三脚に取り付けられるので、昼間はバードウォッチング、夜間は天体観測などに便利です。
まとめ
明るさや拡大倍率のバランスの良い単眼鏡がおすすめ
コンパクトなことがメリットである単眼鏡ですが、遠くを見ようとすればするほど明るさを確保するためにレンズを大きくする必要があり、その分本体が大きくなります。ですので、コンパクトさを生かすためには、倍率は10倍程度に抑えたものの方が、バランスが良いでしょう。また、超遠距離用で使う場合には重くなるので、三脚を使用するとストレスなく使用できます。用途に合った単眼鏡を選んで、美術鑑賞やアウトドアを存分に楽しんでくださいね。