イラストを描くとき、ペン入れをした後に鉛筆で描いた下書きを消すのは大変ですよね。消しているうちに紙が傷んできてしまったり、破れてしまったりといったことも起こりがちです。アナログでイラストを描いている方にとって、1台持っていると便利なのがトレース台。トレース台のパネル部分に下書きと清書用の紙を重ねて下から光で照らし、ペンでなぞることで簡単に複写ができます。イラストの作成以外にもさまざまな用途で活躍してくれるトレース台の特徴や種類、選び方などを紹介していくので、参考にしてみてください。
トレース台の特徴
イラストの原画を複写するときや製図などに使用する
トレース台とは、イラストなどを複写するときに使用される道具です。ガラスやアクリルでできた乳白色のパネルが、下からライトで照らされる仕組み。パネルの上にイラストが描かれた紙と白紙を重ねて載せると下のイラストが透けて見え、白紙をペンでなぞることでイラストを複写できます。蛍光灯が使用されたタイプは、箱のような形状のものも。ライトボックス、トレーサーなどとも呼ばれています。
レントゲン画像の観察や筆耕などにも使われる
トレース台はイラストの複写以外にも、レントゲンで撮影した画像を観察するときなどにも使われます。また、賞状や証書などを書く筆耕や写経などにも使用。そのほか、製品の検査台として使用したり、ハンドメイドなどに使用したりと、さまざまな用途で活躍します。
トレース台の種類
LEDライトタイプ
薄型で本体が熱くなりにくいのがメリット
パネル部分を照らす光源としてLEDライトが使用されているトレース台です。一番の特徴として挙げられるのが、非常に薄型であるという点。携帯性の良さや収納のしやすさなどの点で優れています。近年では、LEDライトが使われているトレース台が主流です。
LEDライトタイプのトレース台のもう一つの大きな特徴としては、パネル部分が熱くなりにくいという点が挙げられます。パネル部分が熱くなりすぎると作業をするのが大変なため、本体が熱くなりにくいのは大きなメリット。さらに、消費電力が少ない点やちらつきが少ない点も、LEDライトタイプの嬉しいポイントでしょう。
蛍光灯タイプ
箱型の形状のクラシックなタイプ
箱型のトレース台の中に蛍光灯がセットされています。蛍光灯が切れても、交換をすることで使い続けることが可能なので長く使える点がメリット。蛍光灯自体のコストが安い点もポイントです。蛍光灯の交換が自宅でできるタイプどうか、チェックしてから選びましょう。
蛍光灯タイプのトレース台は、以前から使われてきたクラシックなタイプです。作業をしていると、蛍光灯の熱でパネル部分が熱くなってくる点がデメリット。長時間使い続ける場合や、夏に作業をする場合などは注意が必要です。LEDライトタイプのものに比べると厚みがあります。
トレース台の選び方
大きさで選ぶ
B4程度の用紙を使用するならA3サイズが便利
イラストなどをトレースする時には原稿を回して使用することもあるため、使用したい原稿や画用紙などよりも一回り大きいサイズを選びましょう。例えば、B4サイズの用紙をよく使用するという方の場合は、A3サイズを選ぶのがおすすめ。原稿とぴったりのものを選んでしまうとトレースがしにくいため、ストレスを感じてしまうことも。普段使用する原稿の大きさを考慮して選びましょう。
持ち運びやすさを重視するならA4サイズ程度のものを
普段小さめの原稿や画用紙しか使用しないという場合、A3などの大きめのトレース台を購入すると邪魔になってしまうかもしれません。B4サイズ程度までの原稿しか使用しない場合、比較的小さめなA4サイズのトレース台を選ぶのがおすすめ。A4サイズなら場所も取らず、邪魔にならない点もポイントです。持ち運んで使用することが多いという方も、バッグに収まりやすいA4サイズのトレース台を選ぶのが良いでしょう。
電源方式で選ぶ
持ち運んで使用したいなら電池式や2WAYタイプ
トレース台の電源方式には、乾電池を使用するタイプやUSBで給電するタイプなどがあります。トレース台を持ち運んで使用したい人や、イラストを描くときに充電コードが邪魔になるのが嫌だという人は、コードレスで使用することができる電池式を選ぶのがおすすめ。なかには、電池でもUSBでもどちらでも使える2WAYタイプのものもあります。
電池のコストが気になるならUSBタイプ
電池の交換の手間やコスト面が気になるという方は、USBで給電できるタイプのトレース台を選ぶのがおすすめです。USBタイプならACアダプターでコンセントにつないで使用できるるほか、パソコンとつなぐことでも使用できて便利。自宅以外の場所に持ち運んで作業をしたい場合にも、モバイルバッテリーにつないで使用することができるため安心です。
機能で選ぶ
磁気式なら紙をマグネットピンで固定できる
トレース台の中には、パネル部分に磁気設計が施されているものもあります。磁気式になっているタイプなら、マグネットピンで下の原稿と上に重ねた画用紙などを固定することができて便利。イラストなどの複写をしている時に、紙がずれてしまうのを防ぐことが可能です。なかには、マグネットピンが付属しているものもあります。
長時間の作業が多いなら傾斜角度を変えられるタイプが疲れにくい
長時間の作業でトレース台がずっと平らな状態だったり、自分がトレースしやすい角度になっていなかったりすると、だんだんと疲れてきます。無理な姿勢で作業を続けていると、腰痛や猫背などの原因にも。自分がトレースしやすいように傾斜角度が変えられるタイプなら、疲れずに作業をすることができます。傾斜の角度が何段階かに変えられると、より自分の好みの角度で作業をしやすいでしょう。
明るさを微調整したいなら無段階調光のものを
明るすぎるトレース台を使っていると、目が疲れてくることがあります。逆に暗いトレース台では、原稿がうまく透けずにトレースがしにくい状態に。トレース台を選ぶ時には、明るさが調節できるかどうか必ずチェックしましょう。3段階、10段階など段階的に明るさが変えられるもののほか、無段階で変えられるものも。明るさを微調整したい方は、無段階調光のタイプを選ぶと良いでしょう。
トレース台のおすすめブランド・メーカー
トライテック
プロの意見を取り入れたトレース台が揃う
トレース台を作り始めて20年以上のメーカーです。日本製の高品質のトレース台を取り扱っています。アニメのプロの意見が反映されたトレース台は、A4からA1まで幅広いラインナップ。デザインのスタイリッシュさもポイントでしょう。
サンコー
超薄型のトレース台が揃う
超薄型の、約5mmの厚さのトレース台を扱っているメーカーです。明るさを無段階で調整できるトレース台が揃っているのもポイント。サイズは、A3サイズやA4サイズなど複数展開されています。USB電源、LEDタイプの薄いトレース台をさがしている方におすすめのメーカーです。
ウチダ
スタンドタイプの大型のトレース台も
設計や製図などの製品を展開しているメーカーです。トレース台は、A0サイズの大型のスタンドタイプなどもラインナップ。卓上タイプでは蛍光灯タイプやLEDタイプなどが揃っており、サイズはA1からA4までと豊富に取り扱っています。
エツミ
A2サイズのトレース台も扱う
撮影用グッズなどを取り扱っているメーカーです。トレース台はA2サイズやA3サイズ、A4サイズなどがラインナップされています。ワンタッチの操作で明るさを無段階で調整可能。大きめのA2サイズのトレース台をさがしている方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
おすすめ&人気のトレース台ランキング
A3サイズでおすすめのトレース台
サンコー-ごくうす調光USBトレース台A3(8,545円)
厚さが5mmの超薄型タイプ
A3サイズながら、重量が約1,060gと軽量な点が魅力のトレース台です。重くてかさばるトレース台は嫌だという方におすすめ。厚さも約5mmしかないので、片付けや移動なども手軽にできます。USBタイプで、パソコンやモバイルバッテリーでの給電が可能です。
LEDタイプなので、作業中にパネルが熱くなりにくい点も魅力です。また、光がちらつくことがなく、目が疲れにくい点もポイント。明るさは無段階で調節が可能なので、好みの明るさに微調整することができます。
エツミ-トレース台LEDトレーサーA3(15,000円)
タッチセンサーで明るさを調節できる
キャリングバッグや専用のACアダプター、傾斜スタンドなどが付属しているA3サイズのトレース台です。光源には白色LEDを使用。厚さは約10mm、重さは約1.9kgなので、サイズが大きくても邪魔にならない点が魅力でしょう。
タッチセンサーで、スイッチのオンオフと明るさの調整を簡単にできます。裏面にはゴム足が数多く設置されていて、作業中に本体がたわんでしまうのを防止。明るさが無段階で調節できるタイプのA3のトレース台をさがしている方におすすめです。
トライテック-TREVIEWER(8,980円)
8mmの薄さで場所を取らない
高品質な日本製のA3サイズのトレース台です。スタンドで傾斜を変えられるため作業が楽に。傾斜の角度は1段階から3段階までに調節が可能です。トレースできる範囲は原稿のサイズと同じになっているため、収まらずに困るといったことがありません。
さまざまな用紙に対応するために、十分な明るさが確保されています。調光ボタンと電源ボタンが別になっており、スイッチが少し凹んでいるために誤作動を防止しやすい点も魅力。LEDが上部のみの設計になっているため、手の当たる部分が熱くなりにくい点も特徴です。
ライオン事務機-卓上型トレース台 A3 判(33,000円)
白色蛍光灯を使用したトレース台
フレーム部分が木製でクラシカルな雰囲気の、A3サイズのトレース台です。光源には10Wの白色蛍光灯3本を使用。照度は約4,500ルクスです。蛍光灯タイプのベーシックなトレース台をさがしているという方はチェックしてみてください。
昔ながらの箱型タイプのトレース台で、透写面には5.8度角度が付いています。傾斜が付いていることでトレース作業がしやすく、長時間作業をしても疲れにくい点もポイント。厚みがある箱型タイプのトレース台が欲しい方にぴったりです。
クラノ-USB給電タイプトレース台(3,900円)
ムラのない明るさが魅力
調光が可能なA3サイズのトレース台です。厚さは5mmと薄型なので、薄いトレース台をさがしている方におすすめ。かさばらないので収納もしやすく、一か所に固定せず複数の場所に移動して使用したい場合にも便利です。
光源にはLEDが使用されており、最高輝度で約50,000時間と高寿命です。電源はUSBタイプなので、パソコンやモバイルバッテリーなどでも充電できる点もポイント。リーズナブルな価格のA3トレース台をさがしている方におすすめでしょう。
B4サイズでおすすめのトレース台
ウチダ-トレース台B4型(14,790円)
目に優しいLEDを採用
光源にLEDライトが採用されており、ちらつきが抑えられたトレース台です。目に優しく、疲れにくい点がポイント。トレース作業を長い時間続けても目が疲れないトレース台が欲しい方におすすめのモデルです。
透写面のサイズは縦25.7cm、横36.4cmで、重量は1.5kgです。LEDタイプのB4サイズのトレース台をさがしている方におすすめ。厚さは約1mmなので、かさばらずに持ち運びや収納ができるタイプをさがしている方にぴったりでしょう。
WILMART-LEDアクリルトレース台B4サイズ(10,184円)
上下2段にLEDを搭載
照度が3,000ルクスを超える、明るいトレース台です。LEDを上下に配置しており、全体を均等に照らすことができる点がポイント。色むらがありません。ちらつきや熱が発生しにくいため、長時間使用しても目に優しい点も特徴です。
透写面は、ネジ以外の部分がフラットな作りになっています。段差で原稿などを傷つける心配をせずに作業ができて安心です。さらに、透写面に原稿を留めるために使用することができる強力なマグネットが付属しており、原稿が動くことなく作業ができる点もポイントです。
インテリムジャパン-LEDトレースボードピッカB4サイズ(11,000円)
目に優しく疲れにくいのが魅力
本体の発熱がなく、目にも優しいタイプのB4サイズのトレース台です。付属のフィルムをパネル部分に載せることによって、明るさの調節をすることができる点もポイント。2枚のフィルムを使い分けることで、弱め、中間の明るさに。フィルムを使わないと、強めの光にすることができます。
厚さわずか11mmの本体の表面は一体型になっており、凹凸などは一切ありません。トレース作業をする際に、段差などで原稿を傷めてしまう心配がない点が魅力。薄型でトレースがしやすいB4サイズのトレース台をさがしている方におすすめです。
アイシー-LEDトレース台ArtyONE B4サイズ シルバー(15,925円)
傾斜をつけることができて便利
シルバーカラーのフレーム部分がスタイリッシュな、B4サイズのトレース台です。縦向きでも横向きでも使用できる点も魅力。傾斜バーを取り付けることにより、本体に傾斜角度を付けて作業をしやすくすることができます。
中央部分の明るさは1,330ルクスから3,700ルクスです。タッチボタンによって明るさを10段階に調節することができる点もポイントでしょう。光源はLEDで、約50,000時間と高寿命。重量は1.7kgです。明るさを細かく調整できるトレース台をさがしている方におすすめです。
A4サイズでおすすめのトレース台
RAKU-新型LED磁気トレース模写台(3,280円)
マグネットピンや手袋もセットに
光源がLEDで、明るさを3段階に調節することができるA4サイズのトレース台です。明るさの調節は、タッチ式スイッチで行うことができます。パネルには保護フィルムが付いているため、柔らかい光になり目に優しいのも特徴です。
本体にはUSBケーブルが付属しています。パソコンと接続して給電したり、ACアダプタをして給電したりと、シーンに合わせて給電方法を使い分けられるのも魅力。モバイルバッテリーでも充電が可能なので、持ち運んで使用したい方にも適しています。
クラノ-光る芸術ボードA4サイズ(1,860円)
厚さ5mmで持ち運びしやすい
重量が350gと、軽量な点が魅力のトレース台です。厚さは5mmなので、収納するときにもバッグに入れて持ち運ぶ時にもかさばらない点がポイント。持ち歩きやすさを重視してトレース台を選びたい方におすすめでしょう。
光源はLEDを使用しており、最大照度は2,000ルクスで、均一に照らしてくれます。約80,000時間と超高寿命。目の疲れを抑えられる点も嬉しい点です。リーズナブルでコンパクトなトレース台をさがしてる方や、イラスト初心者の方にもおすすめです。
ELKEKER-A4 LEDライトパネル アクリルフレーム(2,280円)
3段階で明るさを調整
高輝度の白色LEDを使用した、A4サイズのトレース台です。調光機能は3段階。LEDライトが明るく、省エネである点も魅力でしょう。目に優しい光なので、長時間使用していても目が疲れない点もポイントです。
約4.7mmと超薄型で、持ち運びも楽にできます。重さは約630g。付属のUSBケーブルは1.5mと長いため、パソコンなどから楽に給電することができます。とにかく薄いトレース台が欲しいという方は、ぜひ注目してください。
バンコ-LEDトレース台調光プラス
段差がないから原稿を傷めにくい
段差のないフラット構造が使いやすいトレース台です。縦向きにしても横向きにしても使用が可能。7段階で調光が可能で、最適な明るさで作業をすることによって、目の疲れを軽減できます。照度は1,900ルクスから4,600ルクスです。
国内で製造された日本製のトレース台なので、安心して使用することができます。修理体制がしっかりしていることや、1年間の保証が付いている点もメリット。デザインも美しくスタイリッシュで、7mmという薄さや重量0.9gである点も魅力でしょう。
アイシー-LEDトレーサー アルティミニ(3,960円)
コード不要の電池タイプ
単三のアルカリ乾電池3本使用の、コードレスタイプのトレース台です。比較的リーズナブルな価格もポイント。電池式のトレース台はあまり多くないため、電池式でコードレスであることを重視する方におすすめです。
透写面の大きさは縦18.5cm、横26cmで、光源はLEDです。程よい明るさで、光がちらつかず目に優しい点もポイントでしょう。持ち運びしやすく、長時間作業をしても目が疲れないトレース台が欲しい方にぴったりのモデルです。
まとめ
トレース台は使用する用紙のサイズや機能面を考慮して選ぶのがおすすめ
トレース台を選ぶ時には、どのサイズの原稿を一番多く使用するかをチェックし、サイズを決めましょう。このとき、よく使う原稿よりも一回り大きいものを選ぶのがポイント。さらに、本体の厚さ、傾斜角度を変えられるかどうか、磁気タイプかどうかなど、機能面もよくチェックし、後悔のない一台を選んでください。