宅録など、防音環境の整っていない場所でレコーディングをするとき、反響や雑音が気になってしまいますよね。そんなときに取り入れてみたいのが、リフレクションフィルター。自宅での録音の際に、反響音や雑音がマイクに入るのを防いでくれる効果が期待できます。ボーカルや楽器の録音時にあると便利なアイテムです。
リフレクションフィルターを取り扱うメーカーでは、sE ElectronicsやAston Microphoneが有名。プロ仕様のMarantz Professionalや、デザイン性の高いKaoticaも人気です。さまざまなメーカーから販売されているので、どれが自分に合っているのが悩んでしまいますよね。
そこで今回は、リフレクションフィルターの選び方を詳しく解説し、おすすめの人気リフレクションフィルターをランキング形式で紹介していきます。ランキングの順位は、リフレクションフィルター選びのポイントとなる下記3点を比較検証して決定しました。
- 使いたい形かどうか
- 軽量かどうか
- 卓上でも使用できるか
また、「リフレクションフィルターの種類は?」「リフレクションフィルターの効果は?」など、購入前に知っておきたいことも言及しています。
リフレクションフィルターとは?
自宅でも手軽にスタジオ環境を作れる録音補助器具
リフレクションは、日本語にすると反響を意味します。反響を抑えて、自宅でも快適な録音環境を作ってくれるのがリフレクションフィルター。マイクを覆うような形をしていて、反響を防いでくれる役割があります。
リフレクションフィルターの必要性
自宅録音でも質の高い音を録りたいときに便利
自宅での録音作業は、スタジオのように機材が揃った環境での録音のようにはいきません。音の拡散を防ぎ、自宅での録音環境を改善させるために必要なアイテムとなります。少しでも質の高い音を録りたい人は、取り入れてみると良いですよ。
リフレクションフィルターの効果
凹凸スポンジによって残響音がマイクに入るのを防いでくれる
設備の整ったスタジオではく在宅録音をする場合、壁に音が跳ね返りやすくなります。リフレクションフィルターを使うことで、残響や反響した音がマイクに入り込むのを軽減させてくれる効果が期待できますよ。内側についている凹凸スポンジは後ろからの音を、外側のシールドで壁からの反響を防いでくれます。
残響を防いだ音源を作れるので制作工程を簡略化できる
録音した音源を加工したり編集したりする際、余分な音を取り除く作業が必要な場合がありますよね。リフレクションフィルターを使うと、反響や残響が少ない音の録音が可能になります。クリアな音で録音できることで、その後の作業工程を簡略化できますよ。
リフレクションフィルターの種類
カバー型
マイク周辺を囲うようにして使う
屏風のようにマイク周辺を囲った形がカバー型です。リフレクションフィルターのなかでは、スタンダードな形になります。ストレートマイクスタンドとの相性が良い型なので、すでにストレートマイクスタンドを活用している人は、候補に入れてみると良いですよ。
スタンドタイプのカバー型は、マイクスタンドにリフレクションフィルターを取り付けて使います。マイクスタンドに取り付けられるので、立ったままでの録音も可能。楽器を使う場合は、楽器の位置に合わせて高さを調節できるので、幅広く使いたい人に向いています。
ボックス型
マイクをボックスの中に入れて使う
ボックス型は名前の通り、箱のような形になっているのが特徴。箱の中にマイクを設置して使います。カバー型に比べると、選べる種類が少ないのが現状ですが、コンパクトで軽量なところが魅力。卓上で録音したい人に向いていますよ。
ボックス内は、凹凸のある吸音材で作られています。上下左右が囲まれるので、反響や雑音を防いでくれる効果の高さが魅力。また、分解して収納できるので、自宅で使う場合はもちろん、持ち運んで使うのも適しています。
リフレクションフィルターの選び方
重さで選ぶ
マイクスタンドの耐荷重に収まるものにする
マイクスタンドによって耐荷重が異なるため、リフレクションフィルターの重さとマイクスタンドの耐荷重を確認しておくことが大切。耐荷重を超えたリフレクションフィルターを取り付けると、転倒や破損の可能性があります。すでにマイクスタンドを持っている場合は、耐荷重を確認してからリフレクションフィルターを選ぶと安心ですよ。
マイクアームを使うなら1.5kg以下にする
机にセッティングして使うマイクアームの耐荷重は、約2kg程度の商品が多い傾向があります。マイクの重量も加味して、リフレクションフィルターは、1.5kg以下を目安にしておくと安心。ポップガードなど、リフレクションフィルター以外のアクセサリーを付ける場合は、耐荷重を超えないよう計算しておきましょう。無理をして取り付けるとアームを痛めてしまい、本来の機能を発揮できなくなるため、使用するアクセサリーの重量にも気をつけて選ぶといいですよ。
素材で選ぶ
軽量で扱いやすいならABS樹脂
振動や衝撃に強いプラスチックで作られているのが、ABS樹脂の特徴です。軽量なので、取り付け作業が楽に行えるのが魅力。軽量で扱いやすい、リフレクションフィルターを探している人におすすめの素材です。そのほかに、マイクアームにリフレクションフィルターを取り付けようと考えている人は、チェックしておくといいですよ。
丈夫で長持ちならスチール
耐久性の高い、リフレクションフィルターを探している人におすすめの素材がスチール。プロも愛用する、本格的な商品が揃っているのが特徴です。実用性の高さを優先した、リフレクションフィルターを使いたいなら候補に入れてみると良いですよ。ABS樹脂に比べると重量があるため、アームタイプのマイクスタンドではなく、ストレートタイプのマイクスタンドを使いたい人に適しています。
リフレクションフィルターの注意点
リフレクションフィルターとマイクスタンドのねじ径が合うか確認する
リフレクションフィルターは、マイクスタンドに取り付けて使います。取り付けの際は、手持ちのマイクやマイクスタンドに合うねじ径を選ばなければ、固定できず使えなくなってしまうため注意が必要。購入前に、必ずねじ径を確認しておきましょう。ねじ径が分からない場合は、ねじ交換アダプターを準備しておくと安心。ねじ交換アダプターは、ねじ径が違っても連結してくれるアイテムです。
リフレクションフィルターのおすすめブランド・メーカー
sE Electronics(エスイーエレクトロニクス)
音響関連器具を取り扱う英国ブランド
録音する音によって変わる、4種類のリフレクションフィルターを展開しています。自分の用途に合わせて、最適なリフレクションフィルターが選べるところが魅力。本格派の人におすすめのブランドです。
Aston Microphone(アストンマイクロホンズ)
Haloが有名
リフレクションフィルターをはじめ、マイクなどを取り扱う英国のブランドです。軽量かつ上下左右の音を遮断する半球型のリフレクションフィルターを取り扱っています。軽いものを探している人はチェックしてみるといいですよ。
TroyStudio(トロイスタジオ)
吸音や防音素材を扱うメーカー
録音環境に大切な、収音材や防音材をはじめとした商品を取り扱っています。リフレクションフィルターは、立って使ったり卓上で使ったりと、さまざまな場面で使えるように工夫されていますよ。臨機応変に使いたい人は候補に入れてみると良いですよ。
Kaotica(カオティカ)
デザイン性の高さが魅力
見た目もおしゃれな、丸型のリフレクションフィルターを取り扱っています。コンパクトサイズの、リフレクションフィルターを探している人はチェックしてみましょう。マイクを開口部から挿入するだけと、設置しやすい形状が特徴です。
Marantz Professional (マランツプロフェッショナル)
プロ仕様の機能が魅力
音にこだわった本格的な、リフレクションフィルターを探している人におすすめのメーカー。室内だけでなく、屋外での使用も可能なモデルがあります。ほかにも、卓上で使えるコンパクトタイプも展開していますよ。
おすすめ&人気のリフレクションフィルターランキング
カバー型でおすすめのリフレクションフィルター
エスイーエレクトロニクス-リフレクションフィルター RF-X(12,800円)
マイクスタンドを使う人におすすめ
業界標準の機能はそのままに、本体の軽量化を実現させたリフレクションフィルター。マイクスタンドとの相性が良く、なかでもボーカル収録に特化しているのが特徴です。手持ちのマイクスタンドに合うものを探している人は候補に入れてみるといいですよ。
軽くて扱いやすいだけでなく、リフレクションフィルター本体の耐久性もあるので安心。FR-Xシリーズは、エスイーエレクトロニクスから販売されているなかでも、コストを抑えて作られています。価格を抑えて揃えたい人にもおすすめです。
エスイー エレクトロニクス-Reflexion Filter Pro(29,040円)
本格的な機材を揃えたい人におすすめ
プロも愛用する、本格仕様のリフレクションフィルターです。ボーカル録音だけでなく、ギターなどの楽器にもセッティングして使えるのが魅力。リフレクションフィルターを、さまざまな用途で使いたいと考えている人にも向いていますよ。
リフレクションフィルター本体は、アルミ素材と吸音材を7層にも組み合わせて作られています。ノイズを極限までカットし、クリアな音が録音できるのはうれしいですね。交換ねじが2種類付属されているので、マイクに対応していればすぐに使えて便利です。
クラシックプロ-アンビエントルームフィルター CAR900(10,672円)
手に取りやすい価格が魅力
カバー型のリフレクションフィルターとしては、比較的手に取りやすい価格が魅力。カバー型が気になるけれど、価格がネックになっている人は、候補に入れてみるといいですよ。シンプルなデザインが好きな人にもおすすめです。
バーンドアという、中央で開閉できるタイプを採用しているのも特徴です。使用後は閉じて収納できるので、場所を取らずコンパクトにできるのがうれしいですね。厚みのある吸音材を採用し、リーズナブルながら本格的なレコーディングが可能です。
マランツプロ-ボーカル録音放送用コンパクトリフレクションフィルター(13,696円)
持ち運んで使いたい人におすすめ
高品質のメタルを採用し、耐久性の高いデザインになっています。耐久性がありながら、軽量な作りも魅力のひとつ。室内だけでなく、屋外での使用にも耐えられる丈夫さが魅力のリフレクションフィルターです。
本体は中央で開閉するバーンドアを採用。コンパクトに折りたためるので、自宅だけでなくスタジオなど持ち運んで使いたい人に向いています。マイクスタンドとの相性が良いので、気になる人は候補に入れてみるといいですよ。
アストンマイクロホンズ- AST-HALO Shadow Aston Halo(51,700円)
特許素材を使用した軽量設計が魅力
ペットボトルをリサイクルして生まれた、PETフェルトという素材を全体の約70%に使用したリフレクションフィルターです。上下左右をカバーする半球状のデザインは、マイクを包み込んでくれます。高いレベルで吸音性を向上させた作りが特徴です。
高い吸音技術は、宅録からスタジオ録音まで幅広く対応。どの環境でも使えるリフレクションフィルターを探している人におすすめですよ。マイクスタンドへの取り付けやすさにも配慮されているので、ストレスなくセッティングできるのも魅力です。
E.D.GEAR-REC Pack 1(12,060円)
島村楽器オリジナルモデル
リフレクションフィルターにポップガードがセットになっています。ストレートタイプのマイクスタンドも付いているので、これから機材を揃える人におすすめですよ。自宅で使いやすいよう、コンパクト設計になっているのも魅力です。
収納しやすいよう、リフレクションフィルター本体は折りたためるデザイン。ねじ径は3/8インチと5/8インチの、標準的なマイクスタンドに対応していますよ。ポップガードは、水洗いもできる丈夫な金属製を採用しているので、清潔に保てるのがうれしいですね。
キクタニ-リフレクションフィルター KIKUTANI RF-01 mini(8,470円)
コスパを重視したい人におすすめ
費用を抑えたい人や初心者の人にも、比較的手に取りやすい価格帯が魅力のリフレクションフィルター。吸音性の高いポリエステル繊維を採用し、反射音を防いでくれます。ポリエステルを使用することで、軽さも実現させていますよ。
高さ23cmで幅が30cmと、コンパクトなサイズも魅力。軽量でコンパクトなサイズなので、スタジオへの持ち込みやすいのもうれしいですね。リフレクションフィルターの外側は、ファブリック素材になっていて、見た目もおしゃれになっていますよ。
ボックス型でおすすめのリフレクションフィルター
カオティカ-アイボール(33,000円)
ボール型のデザインがおしゃれ
クリアで安定した収録ができるよう、素材や形状にこだわって作られたリフレクションフィルター。マイクが見える開口部のサイズはクオリティを高められるように、こだわった作りになっています。ボール状のデザインは珍しく、見た目も重視したい人におすすめですよ。
宅録はもちろん、スタジオや屋外などさまざまな場所での収録も可能。どこでも手軽に、本格的なクオリティで収録できるのはうれしいですね。軽量でコンパクトなサイズ感は、持ち運んで使いたい人にもおすすめです。
トロイスタジオ-ポータブルレコーディングボーカルブースサウンドボックス(7,167円)
折りたたみ可能なボックス型
重量が1.8kgと軽量で、折りたたみもできるリフレクションフィルター。コンパクトにたためるので移動はもちろん、自宅での収録後も収納しやすいのが魅力です。卓上とスタンド、どちらの収録にも対応できますよ。
厚さ5cmの高密度フォームを採用し、ノイズを減少してくれます。また、さまざまな種類のマイクスタンドと、マイクとの互換性があるのが特徴。録音環境ごとに、マイクやスタンドを変えて収録したい人におすすめです。
卓上でおすすめのリフレクションフィルター
吸音研究所-リフレクションフィルター三つ折り(6,442円)
サウンドエンジニアが監修したリフレクションフィルター
吸音試験で1,200から4,200Hz帯の音反響を最大80%カットした実証もある、リフレクションフィルターです。クリアな音質でレコーディングできるよう、こだわって作られていますよ。リーズナブルで質の高い、リフレクションフィルターを探している人におすすめです。
吸音効果を高めるため、厳選した高密度吸音素材を採用し、理想的な録音環境になるよう配慮。本体の背面には、軽さが特徴のABS樹脂を使用していますよ。本体重量は650gと軽いので持ち運びはもちろん、取り付けも楽に行えるのが魅力です。
AGPTEK-マイク分離シールド スタンド付き(9,911円)
マイクスタンド付きで便利
伸縮可能なスタンド付きのリフレクションフィルター。マイクを的確な高さに調節できるので、卓上での録音もスムーズにこなせますよ。簡単なステップで組み立てられるので、初心者の人でも扱いやすいところが魅力です。
本体は145度まで可動でき、三つ折りにたためるコンパクトなデザイン。角度を調整してベストな音を作り出せます。卓上だけでなく、マイクスタンドにも併用できるのがうれしいリフレクションフィルターです。
Aokeo-マイク分離シールドAO-403(9,142円)
卓上とスタンドの併用可能
卓上とスタンドの、どちらにも使えるのが特徴のリフレクションフィルター。さまざまなシーンに合わせて、使い分けられるのがうれしいですね。リフレクションフィルターの開き具合を調整できるので、卓上でも使いやすいのが魅力です。
マイクの位置を前後に調整できるクロスバーが付いているのも特徴のひとつ。クロスバーがあることで、卓上での録音もマイクとの距離を適正に保てます。軽量で折りたためるデザインは、持ち運ぶのはもちろん、コンパクトに収納できますよ。
Topnaca-マイク分離シールドc103kd2y3e(8,359円)
5つ折りで細かく調整できる
5つ折り式の、パネル設計が特徴のリフレクションフィルター。細かく変形できるので好みの角度に調整して録音できるのが魅力。細やかに調整して収録したい人におすすめです。収納時もコンパクトになるので便利ですよ。
卓上だけでなく、スタンドにも使える便利さが魅力。ボーカルレコーディングやポッドキャストなど、さまざまな用途で使いたい人にも向いていますよ。初心者でも簡単にセッティングできるよう、使いやすさにもこだわっています。
INGYOU-マイク分離シールドGP015(3,999円)
牢獄性に優れたリフレクションフィルター
耐久性と耐摩耗性に優れたメタル素材で作られた、丈夫さが魅力のリフレクションフィルター。メタルデザインは、シンプルながらおしゃれさもあります。破損しにくいリフレクションフィルターを探している人は、候補に入れてみるといいですよ。
金属パネルと高密度スポンジを組み合わせた仕様で、反響音を防いで録音できます。5つ折りパネルは、省スペースで収納できるほかに、角度も調整しやすいのがうれしいですね。卓上とスタンドの両方で使えるタイプの、幅広く使えるリフレクションフィルターです。
リフレクションフィルターの取り付け方
マイクスタンドに金具を取り付けて固定する
金具を取り付けやすいよう、リフレクションフィルターを広げます。マイクとリフレクションフィルターを繋ぐ金具を取り付けて固定しましょう。メーカーや機種によって取り付け方は変わるので、安全に取り付けるようにしてくださいね。
マイクをセットする
ショックマウントやマイクホルダーを使う人は、先に取り付けておきます。セット出来たら、マイクを取り付けましょう。すべてセットしたあとは、再度ねじの緩みがないか確認しておくと、収録もスムーズに行えます。
リフレクションフィルターの自作方法
材料を準備する
リフレクションフィルターを自作するには、3つの材料が必要です。吸音材と遮音材、段ボールを準備しましょう。そのほかに、カッターと、貼り付けるための両面テープやボンドなど、接着剤が必要です。
土台をマイクに合わせたサイズにカットして遮音材を付ける
土台となる段ボールを、マイクを囲えるサイズにカットします。マイクを囲えるよう、折り目を付けておくといいですよ。折り目が付けられない場合は、3枚にカットして貼り付けると自立します。段ボールと同じサイズにカットした遮音材を貼り付けましょう。
遮音材の上から吸音材を取り付ける
遮音材を貼った上に吸音材を貼り付けたら、自作のリフレクションフィルターの完成。マイクスタンドに取り付けたり、卓上に自立させてマイクを囲んだりできます。簡易的ではありますが、手軽に作れるので試してみるのも良いですね。
まとめ
リフレクションフィルターがあればワンランク上の宅録が可能
収録環境をレベルアップしたい人にとって、リフレクションフィルターは、チェックしておきたいアイテム。手持ちのマイクや、マイクスタンドに合ったリフレクションフィルターを選んでみましょう。ランキングを参考に、お気に入りのリフレクションフィルターを見つけてくださいね。