自宅の水道水を硬度成分の少ない軟水に変える軟水器。軟水は肌に優しいことで注目されていますよね。肌に優しいだけでなく、洗車に使うと洗いあがりがツヤツヤになりますよ。海外では既に広く使われている軟水器ですが、家庭用の軟水器が日本で注目されてきたのは最近になってからです。軟水器は使用する範囲やイオン交換樹脂の量によってキッチン用や浴室用など色々な種類に分けられます。ここでは、用途に合わせた選び方やおすすめの軟水器をランキング形式でご紹介します。使いやすい軟水器を選んで、快適な軟水生活を楽しんでみてくださいね。
軟水器の仕組み
水道水の硬度成分をイオン交換により除去して軟水に変える
一般的に家庭で使用される浄水器は、内部の活性炭フィルターに水道水を通すことで、含まれる不純物や臭いの元を取り除くものです。一方軟水器は、水道水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなど硬度成分を取り除いて軟水にします。硬度成分を含む水道水を、軟水器に搭載されるイオン交換樹脂に通すことで、成分を吸着させ、硬度成分の少ない軟水にすることができますよ。
軟水器の特徴
肌や髪に優しく手荒れしにくい軟水が使える
水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンが多い水を硬水と言います。硬水で髪を洗うとキシキシと絡まるような手触りになりがち。また体や顔を洗うと肌がつっぱるような洗い心地になります。軟水器で硬度成分を除去することにより、髪や肌を優しく洗うことができるので、髪や手肌が荒れにくくなりますよ。
軟水は石鹸カスや湯アカが出にくいので掃除が楽
お風呂掃除で気になるのが湯船に張り付いた湯アカですよね。湯アカの原因は、石鹸カスや皮脂汚れが混ざったものです。また洗濯の時に気にも気になる石鹸カスは、石鹸の成分と水道水中の硬度成分が反応して生成したもの。お風呂の湯や洗濯に使う水を軟水にすることで、湯アカや石鹸カスが出にくくなり、掃除が楽になるという利点もあります。
軟水器の種類
キッチン型
コンパクトに設置できるので目立たない
キッチンの水道の蛇口に取り付けられるコンパクトな軟水器です。イオン交換樹脂の量が少ないので、大掛かりな装置になることなく、取り付けていることが目立ちません。料理や飲み水に軟水を使いたいという方におすすめの仕様です。
普段の料理に軟水を使用すると、味がまろやかになると言われています。特に味に違いが出るのは出汁の風味を大切にする和食。硬度成分による苦味や雑味を感じられなくなるので、味噌汁やお吸い物を美味しく作ることができます。
浴室型
浴槽など大量の水を使う場合に最適
浴槽に軟水を使いたいなら、大量の水を処理できる浴室型軟水器がおすすめ。大量の水道水を大量のイオン交換樹脂で処理するため、大型の装置になり設置場所の確保が必要です。十分な設置場所があるかどうか確認してから購入するといいでしょう。
軟水で入浴すると風呂上がりに肌がつっぱるようなことがなくなり、肌が荒れにくいと言われています。浴槽に軟水を貯めるために必要なイオン交換樹脂の量は5リットルから7リットル。この量であれば、処理能力も高いので浴槽にお湯をはるスピードも十分ですよ。
シャワーヘッド型
シャワーメインで入浴する場合におすすめ
シャワーヘッドにイオン交換樹脂を搭載しているタイプです。設置場所も必要なく、お使いのシャワーヘッドを交換するだけで軟水シャワーに変えられます。軟水での入浴を試してみたいという方におすすめの仕様ですよ。
浴槽に浸かる機会が少なく、普段はシャワーのみで入浴を済ませるという方にもおすすめです。樹脂の交換はカートリッジ式仕様がほとんどなので交換も簡単です。手軽に変えられるので工事などの手間も要りません。
全配管型
家で使う水道水をまとめて軟水にできる
キッチンで料理や飲料水として、また浴室でも軟水を使いたいという方には、家で使う全ての配管に対応した全配管型の軟水器がいいでしょう。軟水の良さを生活の隅々まで行き届かせたいという方にぴったりですよ。本格的に軟水生活を始めたいという方におすすめです。
自宅で使用する水道全てを軟水対応にするため、10リットル以上の大量のイオン交換樹脂が必要です。装置が大掛かりなものになるだけでなく、全配管への設置工事が必要になるため初期費用が必要になることがポイント。装置の設置場所や工事の手配など、前もって調べておくといいでしょう。
軟水器の選び方
再生方法で選ぶ
食塩投入式ならコストが抑えられる
軟水器はイオン交換樹脂に水道水を通すことによって、硬度成分を吸着させて軟水を作り出します。ですが、使い続けるうちにカルシウムやマグネシウムが樹脂中に増加すると吸着能力が落ちてきます。一定の期間使い続けたら、樹脂を再生させる必要があります。その方法のひとつが食塩水を投入する方法。食塩水を作ることや流すことの手間がかかりますが、市販の食塩で対応することができるので、メンテナンス費用を抑えることができます。
カートリッジ式なら手間がかからず簡単
使用している軟水器に交換サインが出たら、カートリッジを交換するだけで、軟水器の機能を復活させることができます。カートリッジの費用はかかりますが、食塩水を作るなどの手間が必要なく簡単に取り替えることが可能。シャワー用はカートリッジ式、キッチン用には食塩式など、いったんそれぞれの方式を使ってみてから使いやすい方を選ぶのもいいでしょう。
付加機能で選ぶ
浄水機能付きなら水道水の不純物も除去できる
軟水器には、水道水の不純物や臭いの元を取り除く浄水機能が付いた製品もあります。軟水器では取り除けない、水道水のカルキ臭さや不純物を取り除くことができます。硬度成分だけでなく不純物も除去した、より安全な美味しい水を飲むことができますよ。特にキッチン用として使えば、飲料水としてだけでなく、料理用にも安心できる品質の水を使うことができます。
コンパクトな簡易軟水器なら旅行に持ち運べる
外出先や旅行先でも軟水を使いたいという方には、持ち運びできるコンパクトな簡易軟水器がおすすめです。水が変わると髪を洗った後、手触りが変わってしまうという方にぴったりですよ。スーツケースや旅行カバンに収まるほどコンパクトなので、宿泊先の水道でも使用できます。水道の蛇口に取り付けるだけなので、簡単に使えますよ。
軟水器のおすすめブランド・メーカー
ミウラ
全配管型からペット用まで幅広い品揃え
工業用ボイラから医療用機器まで幅広く扱うメーカーです。もともとボイラのメンテナンスには硬度成分の少ない軟水が欠かせません。そのため軟水の研究にも力を入れています。家庭用の軟水器では、全配管型だけでなく浴室用、さらにペット用の軟水器も扱います。
丸山製作所
工業用から家庭用まで幅広い規模の軟水器が揃う
製造業に欠かせないポンプやろ過機を扱うメーカーです。丸山製作所の扱う軟水器は、イオン交換樹脂の量により規模を選べることがポイント。キッチンや浴室だけで使いたい場合や、自宅の水道すべてを軟水に変えたい場合にも対応しています。
パナソニック
料理を美味しくするキッチン用軟水器を扱う
テレビや掃除機など家庭用電化製品を幅広く扱う電気製品メーカーです。主にキッチンで使用する軟水器を扱っていることが特徴。硬度成分の少ない軟水で、美味しい料理を作りたいという方におすすめですよ。
ハウステック
浴室型の軟水器を扱う
キッチンや浴室など住宅向け水回り関連の製品を扱うメーカーです。ハウステックでは浴室型の軟水器に力を入れていることが特徴。肌や髪に優しい軟水が体験できますよ。後付型だけでなくビルトインタイプもあるので、これから家を建てる方や、リフォームを検討している方にもおすすめです。
おすすめ&人気の軟水器ランキング
キッチン型でおすすめの軟水器
エバーピュア-浄軟水器フィルターカートリッジ (16,530円)
軟水に変えるだけでなく浄水機能も付加
アメリカの浄水器メーカーであるエバーピュアが扱う浄水、軟水器のフィルターカートリッジです。別売りの給水ヘッドに取り付けて使用するタイプ。1分あたり1.9リットルの処理能力なので飲み水や調理に使うのにちょうどいいですよ。
水道水から硬度成分を除去するだけでなく、不純物や臭いを除去する浄水器としての機能も付いていることがポイント。雑味や臭いの無いきれいな水を調理に使うことができるので安心ですね。料理を作る機会の多い方におすすめです。
ハイテック-業務用軟水器 ハイソフト HSM-05 (39,600円)
食塩水添加式の再生方法なので経済的
業務用にも使われる軟水器なので、十分な処理能力がありキッチンで使うのに十分な水量が確保できます。イオン交換樹脂の再生は食塩水投入式です。市販の食塩を使うことができるので、大変経済的ですよ。ランニングコストを抑えたいという方におすすめです。
軟水を料理に使うと、渋みなどの雑味がなくなり、美味しくなると言われています。特に和食のような出汁の風味を大切にする味噌汁や煮物では、味が分かりやすいでしょう。いつもの料理をより美味しくしたいという方にぴったりですよ。
パナソニック-調理浄水器 (13,480円)
ごはんの甘味を引き出すまろやかな軟水を作る
水道水の水にはカルシウムやマグネシウムなど硬度成分が含まれており、その水を料理に使うと雑味の原因になると言われています。そんな雑味の元となる硬度成分を除去できる調理用軟水器ですよ。軟水で炊いたお米は、雑味がなく甘みが引き立つ味わいになります。
1分間に1.6リットルの処理能力があるので、飲料水や調理用として十分に使用できます。再生方法はカートリッジ式なので、手軽に交換することが可能ですよ。軟水器としてだけでなく浄水器の機能も付いていることがポイントです。
BRITA-マクストラ用交換カートリッジ (6,700円)
別売のポットに設置して飲料用の軟水を作る
硬水の多いドイツの浄水器メーカーBRITAが扱う、ポットにセットして軟水を作るためのカートリッジです。手軽に軟水を楽しめることがポイント。飲料水としての軟水を試してみたいという方におすすめですよ。
一日あたり3.5リットル使用して、2ヶ月に一回変える程度で使うことができます。日本の水質に合わせて作られたカートリッジなので、最適な条件で硬度成分を除去しますよ。飲料水としてだけでなく、料理用の水としても使うことができます。
浴室型でおすすめの軟水器
ハウステック-シャワー用軟水器 アクアソフト (29,800円)
硬度ゼロの超軟水を作れる
自宅の浴室の水栓とシャワーとの間に取り付けるタイプの軟水器です。硬度20ミリグラムから140ミリグラムの水道水を、硬度ゼロの超軟水にすることが可能。浴室で軟水を使ってみたいという方におすすめの軟水器ですよ。
およそ一週間に一度の頻度で、専用のメンテナンス剤で定期的に再生操作をする必要があります。再生操作用の計量カップやろうとなど付属品が付いているので、別途準備する手間は必要ありません。取扱説明書を確認しながら再生操作をすると安心ですよ。
クリタック-全自動軟水器 (130,680円)
大容量の業務用なので十分な水量を供給できる
家庭用の浄水器や業務用の軟水器などを扱うメーカーであるクリタックが扱う業務用軟水器です。イオン交換樹脂6リットルの大容量で、1分あたり6リットルの処理能力があるので、浴室でも十分に使用できますよ。浴室だけでなくキッチンにもおすすめの仕様です。
専用の再生剤を投入するだけで、継続して軟水を作り出すことができます。わざわざ食塩水を作る手間も必要ないので便利ですね。硬度成分の少ない水で、石鹸カスや湯アカが付きにくくなるので、浴槽や浴室の掃除も楽になりますよ。
FROM SYSTEM DIRECT-業務用全自動軟水器 (58,300円)
屋外に設置することもできるので置き場所に困らない
業務用として飲食店などでも使用される大容量の軟水器です。1分間あたり30リットルの通水量なので、浴槽にお湯をためるのも短時間で終わりますよ。浴室だけでなくキッチンでの使用もおすすめ。幅広く使うことができる軟水器です。
専用の再生剤を投入しておけば、定期的に再生作業されるので、カートリッジのように交換し忘れてしまう心配もいりません。カートリッジタイプよりも再生方法が安価で済むのでお得ですよ。室内に置く場所が無ければ、屋外に設置することも可能です。
ミウラ-美肌っ子 (133,000円)
浴室に設置して軟水シャワーを体験できる
浴室の水栓とシャワーとの間に設置するタイプの軟水器です。浴室に設置して軟水シャワーで髪や体を洗うことができますよ。奥行き20センチ程度なので浴室に置いても邪魔になりません。国産の軟水器を使いたいという方におすすめですよ。
浴室に設置するだけで使用できるので、設置工事も必要ありません。マンションや賃貸に住んでいる方にも使いやすいですよ。水栓につなげる接続ホースや、シャワーが付いているので、商品が到着したらすぐに使うことができます。
シャワーヘッド型でおすすめの軟水器
イオナック-シャワーヘッド (15,180円)
軟水作用と浄水作用のあるシャワーヘッド
シャワーヘッドの中にイオン交換樹脂やろ過装置を搭載しています。自宅のシャワーヘッドを変えるだけで、水道水を軟水にすることができますよ。軟水作用だけでなく塩素を除去する浄化作用も備えていることがポイントです。
2人から4人の使用で4ヶ月ほど使うことができます。処理能力が落ちたら、専用のカートリッジを交換するだけなので、手間も要らずに便利ですね。海外に送ることもできるので、海外に住む方のプレゼントとしてもおすすめです。
スパーク-ウォータークチュール (7,500円)
洗練されたデザインのシャワーヘッド型浄軟水器
自宅のシャワーに取り付けるだけで手軽に軟水にすることができます。髪を洗う時の湯を軟水にするだけで、シャンプーの泡立ちがよくなり、洗い上がりがツルツルとした手触りになりますよ。軟水を手軽に試してみたいという方におすすめです。
水道水を軟水にするだけでなく、塩素除去もできるので、より髪や肌にやさしいお湯で洗うことができます。専用のカートリッジは、一ヶ月に一度変えるだけで、きれいな軟水が使い続けられます。洗練されたデザインのシャワーヘッドなので、どんな浴室にも合わせやすいですよ。
デューベル-F15簡単軟水機 シャワー機用節約型 (2,500円)
カートリッジの汚れが見えやすく交換時期が分かりやすい
シャワーの水栓にカートリッジを取り付けてホースに繫ぐだけで、軟水のシャワーが使えます。さらに水道水に含まれる不純物や錆を取り除く浄水設備も揃っていますよ。純度の高いお湯で髪や身体を洗うことができます。
カートリッジの表面は透明で、中のフィルターの汚れが見やすい仕様になっています。カートリッジの交換目安は1カ月から3カ月ですが、フィルターの汚れが分かりやすいので、交換時期が分かりやすく便利ですよ。設置方法も簡単なので、試しに軟水器を使ってみたいという方におすすめです。
全配管型でおすすめの軟水器
丸山製作所-家庭用軟水器 ピュアソフナー (246,400円)
大容量のイオン交換樹脂で家全体を軟水に変える
業務用の軟水器を扱う丸山製作所の家庭用軟水器です。イオン交換樹脂は大容量の12リットル1分間に13リットルの通水が可能。家で使う水を全て軟水に変えて使用できるだけの十分な容量があるので、本格的な軟水生活を始めたい方にぴったりです。
樹脂の再生には市販の食塩を使用できるので、とても経済的です。また再生作業は自動化されているので、食塩水を作って入れるだけで作業できるため、取り扱いが簡単ですよ。取り付けには別途工事が必要になります。
ミウラ-軟太郎ソフティナ (336,000円)
屋外設置タイプなので住居空間を邪魔しない
15リットルもの大容量のイオン交換樹脂で、住居全体で使用する水を軟水に変えられる全配管型軟水器です。マイコンタイマーを内蔵しているので、樹脂の再生時期を検知し、自動的に再生処理をします。再生時期を気にする必要もないのが便利ですね。
自動洗浄機能により内部をきれいに保つことができます。旅行などで家を空けたり、長期間使用しない時にも、衛生状態を保つことができるのが嬉しいですね。スマートな箱型形状なので、屋外に設置しても目立ちにくく、邪魔になりませんよ。
まとめ
使用範囲とコストに合わせた軟水器がおすすめ
髪や肌にいい効果や、水回りの掃除が楽になる軟水を作る軟水器は、ぜひ試してみたいですよね。軟水器はキッチンや浴室、家全体など使いたい範囲によって規模を選ぶことが大事です。また食塩水投入式か、手軽なカートリッジ式かイオン交換樹脂の再生方法も、コストと手軽さを考えながら選ぶことができますよ。軟水器を試してみたいという方は、まずキッチン用か浴室用で確認してから、全配管型に移すというのもおすすめです。自分に合わせた軟水器で、快適な軟水生活を始めてみてくださいね。