羊毛フェルトというと、ふわふわと柔らかい質感のものから、とてもリアルな作品まで様々な物を見かけますよね。SNSで発信する人も増えてきたので、自分も作ってみたいなと思う方も多いのではないでしょうか。そんな羊毛フェルト、実は作りたいものによって羊毛の種類を変えると、より完成度の高いものに仕上がります。色も素材も様々な羊毛フェルト。どうせ作るなら、素材にもこだわって作ってみませんか。
羊毛フェルトの特徴
初心者でも羊毛と針さえあれば簡単に作れる
羊毛フェルトの良い所は、羊毛と針さえあれば簡単に始められるところです。なので、手芸の趣味を持ちたいと思っている、初心者の方にもとってもおすすめ。道具は、手ごろな物だと100円ショップでも購入ができます。もし初心者であれば、羊毛は柔らかめ。道具は安すぎない使いやすいと定評のあるものから始めた方が良いですよ。はじめの一歩のハードルが低いところも、羊毛フェルトの魅力です。
石鹸水を使った「水フェルト」という方法も
針を使うのが不安という方は、羊毛と石鹸水を使った水フェルトもおすすめです。石鹸水を羊毛にしみこませることで羊毛は縮もうとします。この性質を利用することで縮んだ羊毛同士ががっちり固まってくれるので、とても丈夫なフェルトが出来上がります。この方法でバッグなど実用的な小物も作ることが出来るので、おしゃれの幅を広げたい方にもおすすめですよ。
羊毛フェルトの種類
メリノ
良質でやわらかい質感のウール
羊毛といえばメリノと言われるほど、とてもポピュラーな羊毛の種類です。日本に輸入されている羊毛のほとんどがこのメリノウールで、柔らかく、染料の発色が良いのが特徴です。つやや光沢もあり、羊毛フェルトとして使用するにもとてもおすすめです。
ニードルを使った作業の場合、メリノウールはふわふわと膨張しやすいのでなかなか繊維が固まりにくく、初心者の方は使いにくいと思うかもしれません。とても良質でカラーの風合いもよいウールなので、ニードルフェルトに慣れてきた時に挑戦してみるのがおすすめです。初心者の方がメリノを使用する場合は、水フェルトのほうがおすすめですよ。
ロムニー
ごわっとしっかり質感
ロムニーはメリノウールに比べて太い羊毛で、ごわっとした質感が特徴です。メリノに比べて絡まりやすいのでまとまりやすく、初心者の方のニードルフェルトにもとてもおすすめです。羊毛の質感が見た目にもよくわかるロムニーなので、冬らしい風合いを生かした作品にしたい方にもピッタリです。
水フェルトでバッグなどを作る際にも、ロムニーはしっかりと繊維が絡んでくれるのでおすすめです。毛糸ならではの質感をしっかり残すので、冬らしい小物やバッグとして使用するのも良いですね。クリスマスシーズンやバレンタインの時期に、プレゼントとして小物を制作するのも楽しそうですね。
コリデール
手に入りやすく手軽な羊毛
コリデールウールは、メリノとロムニーの中間的存在の羊毛です。メリノほど柔らかくないけれど、ロムニーよりはしなやかな質感です。メリノがニードルではどうしてもまとまらないという方は、まずはコリデールで試してみてはいかがでしょうか。
実は日本で飼育されている羊のほとんどがこのコリデール種です。国産ウールにこだわる方は、コリデールを使用することになるでしょう。メリノほどはつるつるした表面にはならないものの、立体的な造形がしやすい羊毛なので、将来ニードルでメリノを使いたいという方の入門としてコリデールを使用するのもおすすめです。
羊毛フェルトの選び方
作りたい作品に合わせて選ぶ
犬や猫などの動物には触りたくなる毛並みを表現できるメリノ
繊細な毛質の動物を造形したい場合、やはりメリノウールがとても優秀です。毛並みが揃っていて滑らかに見える、ダックスや柴犬、アメリカンショートヘアなどのような動物を作る場合は特に、メリノウールで表現するととてもリアルに仕上がりおすすめです。リアルに作品を作る作家さんも増えてきましたね。実際にペットを飼っている方が、愛犬や愛猫をモデルに作ることも多いです。夢がとても広がりますね。
ブローチやイヤリングなどは繊維が太く耐久性のあるロムニー
羊毛フェルトは、球体やハート型などの抽象的な形を作り、アクセサリーなどにも応用するのも楽しいですよ。アクセサリーのような身に着けて歩くものを作るときには、耐久性の高いロムニーで作るのがおすすめです。身に着けている途中で形が崩れてしまうなどの心配も少なく、毛糸の質感もしっかり表現できるので冬のおしゃれに最適です。自分なりのカラーやデザインで、自由にアクセサリーを作ってみるのはいかがでしょうか。
作り方の違いで選ぶ
立体的な作品ならニードルフェルトがおすすめ
立体的でリアルな羊毛フェルトの作家さんもたくさん増えていますが、プロの作家さんの作品を見て羊毛フェルトに興味を持った方も多いのではないでしょうか。そんな立体的な作品を作りたい方には、ニードルフェルトがおすすめです。専用の針を使って足りない部分に羊毛を足していくことで徐々に形を形成していくので、失敗しても後でカバーできます。作成キットなども豊富なので、作りたいカタチのキットを探してみるのも一つの方法です。
平らなものや単純な球体なら水フェルトがおすすめ
平らなものや球体のものは、簡単な水フェルトでできるので、初めて羊毛フェルトに触れる方にとてもおすすめです。平らな物だと、コースターくらいの大きさの作品が作りやすいです。また、球体をいくつか作ってアクセサリーとして使用するのもおすすめ。形が単純なものは、様々なカラーを組み合わせてカラフルな作品を作ってみるのも楽しいですよ。
初心者向けのもので選ぶ
ニードルは刺し跡が目立ちにくい細めのものを
ニードルを使った作品作りには、専用の針を使うことがおすすめです。といっても種類は様々。フェルトを形作る段階では太めの針でも十分です。しかし、表面の仕上げの段階になると、太い針だと刺し跡が目立ってしまうこともしばしばあります。表面を思い通りに仕上げたい場合は特に、太い針よりも細めの針のほうが良いです。最小限の道具で始めたいという方は特に、細い針から購入してみましょう。
長時間の作業には指サック付きがおすすめ
羊毛フェルトを使った作業は、キッドを使っても2~3時間は費やします。長く続けようと考えている場合、作るときに怪我や疲労を防ぐための指サックも購入しておくのがおすすめです。専用の指サックの多くはレザーで丈夫に作られています。羊毛フェルトのような針仕事は危険な場合も多いので、なるべくつけて作業するのが良いでしょう。そのため、道具一式が揃った羊毛フェルト専用の初心者用道具セットなどを選ぶときには、指サックが付いているかどうかも見ておくと良いですよ。
羊毛フェルトのおすすめブランド・メーカー
ハマナカ
手芸と言ったらこのメーカー
羊毛フェルトを検索すると、必ず出てくるメーカーといえばハマナカという会社です。品ぞろえも豊富で、羊毛やニードル、キットなど。羊毛フェルトをする上で、ない物はないというくらいに道具や素材をたくさん扱っています。ピカチュウやリラックマのフェルトキットなども販売されていて、遊び心をくすぐられますね。
Clover(クロバー)
一つ一つがお手頃で選びやすい
5gごとに販売されているパフウールなど、お手頃で色とりどりの羊毛もおすすめです。それ以外にもこのブランドだけで、羊毛フェルト用品一式が揃うので、このブランドがお気に入りという方も多いのではないでしょうか。
トーカイ
全国展開の手芸屋さんだからフェルト用品も充実
手芸用品に定評のあるトーカイ。羊毛フェルト用品も充実しています。羊毛ブランドのフルフィールはカラーバリエーションも豊富で扱いやすい商品です。色合いも使いやすいものが多いため、様々な作品作りに使うことが出来ます。
ラ・メール株式会社
染色前の羊毛からキットまで商品が豊富
毛糸や羊毛の用品の専門メーカーです。メリノやコリデールなど羊毛の種類も豊富で、染色前の羊毛なども取り扱っています。100gごとの販売ですが割安なので、土台となる大枠の色を選ぶのにおすすめです。
おすすめ&人気の羊毛フェルトランキング
マスコットづくりでおすすめの羊毛フェルト
ハマナカ – フェルト羊毛ナチュラルメリノ(686円)
ナチュラル色の羊毛で動物の土台にも
100gと容量が多く、値段もお手頃なメリノウールです。ナチュラルな色合いなので、動物の土台をはじめとして様々な作品に使うことが出来ます。他の色とも喧嘩をしない色合いなので、汎用性があり、常に購入しておくのもおすすめです。
ナチュラルの色合いは特に茶系のウールとの相性が良いので、今後動物の作品を多く作りたいという方はとりあえず購入しておくのも良いですよ。こういったナチュラルの羊毛でいくつも球体を作ってもかわいいですね。球体をぶら下げてインテリアなどにも使えそうです。
Clover(クロバー) – パフウール 4 (72-884~72-899)(158円)
茶系のカラーの中からイメージ通りのフェルトを
Clover(クロバー) のメリノウールは発色がとってもはっきりしていて、繊維も1方向に揃っているので、表面の仕上げにとても使いやすいです。動物の毛並みの方向に合わせてウールを配置することで、よりリアルな作品を作ることが出来ますよ。
なんといっても、茶色にもいくつもの種類があって、その中からぴったりの色を選べるのが良いですね。様々な茶色を組み合わせてよりその動物の色合いに近い作品に仕上げることが出来ます。森の生き物をたくさん作りたいという方にもおすすめです。
ハマナカ – リアル羊毛フェルト 植毛ストレート(711円)
汎用性の高い色のストレート羊毛
ホワイト、アプリコット、グレーなどは羊毛フェルトのなかでもよく使う色ですが、仕上げの際になかなか毛並みを表現できなかったりします。そんな時にこのストレート羊毛は活躍します。犬の垂れ耳などもリアルに表現できますね。
カラーバリエーションは、どれも絶妙な色合いで汎用性が高いです。単独で使うにも使いやすいですし、他の羊毛と組み合わせたり混ぜたりしても風合いが良いものに仕上がります。より完成度を求める方にもとてもおすすめです。
ラ・メール株式会社 – 染色スライバーウール・コリデール100g(715円)
カラーが豊富でお手頃
パステルカラーやアースカラーなど豊富なカラーバリエーションで、色見本通りの色が届く評判の商品です。スライバー状なので、1本1本整えられています。毛並みや繊維を表現したい場合も、一つあれば十分に仕上がります。
フェルトにまとめやすいコリデールウールなので、初心者の方にも使いやすいです。ふわっとした動物の毛並みに仕上げたい場合は特に、このウールの風合いがよりリアルな動物に見せてくれるのではないでしょうか。細かな縮れ毛の表現にもおすすめですよ。
ハマナカ – ニードルわたわた(334円)
コスパ良しボリューム良しで土台作りに最適
まとまりやすいウールでできたこの商品は、土台作りにとても重宝します。簡単にボリュームを出すことが出来ますし、なによりコスパが良いのが嬉しいですね。白地の動物が多いので、そこに好きな色のフェルトを選んで形作っていくのもおすすめです。
こすり付けたり押さえつけたりしながらフェルト状に仕上げていくニードルフェルトは、きちんとまとまるまでに時間かかかります。その点、このニードルわたわたは時短でまとまるので、多くの方にとって欠かせないものとなっているようです。
実用品づくりでおすすめの羊毛フェルト
清原 – 羊毛クラフトアソートメリノウール(289円)
安心の日本製のウールが3色
発色の良いメリノウールが3色入ったお得感のある羊毛です。ハートや星のカタチを3色で作り上げてもおしゃれな物になりますよ。バッグにつけるキーホルダーにしても可愛らしいですね。ちょっとだけ模様や柄をプラスしたい時におすすめです。
日本製の商品なので安心でとても人気が高いです。実用品を土台として、フェルト刺繍に使うのもおすすめです。フェルト刺繍とは、羊毛でできた大型のフェルトやセーターに、絵を描くように羊毛を載せていく手法です。フェルトのアイディアがますます広がりそうですね。
ハマナカ – フェルト羊毛 ウールキャンディ 12色セット(1,478円)
パキッとした色合いがフェルト刺繍にも最適
フェルト刺繍におすすめのフェルトです。12色の使いやすい色の羊毛のセットなので、花柄や植物など、様々なイメージが思い浮かびます。少しずついろんな色が入っているところが女性にとって嬉しいセットです。
様々なカラーの球体を作りたい時やごく小さい作品を作りたい時にも、こういったセットが重宝です。実用品のデザインから、小物づくりまで幅広く使うことが出来るので、まだ何を作るか決めていない方がひとつ持っていても良いと思いますよ。
トーカイ – フェルト羊毛 フルフィール 単色ブラック(534円)
単色ブラックで大物の土台にも
どんな小物としても使いやすいブラックの羊毛です。40gと丁度いい内容量で、他の色とも組み合わせやすいです。この羊毛は繊維が短く絡まりやすいので、ニードルフェルトとしても使い勝手が良くなっています。
同シリーズで他の色もとてもナチュラルで使いやすい、ホワイトやビスケットなどがあり、汎用性が高いですよ。クリスマスの時期にお子さんと、こちらを使った水フェルトで、ガーランドなどを作ってみるのもおすすめですよ。
ハマナカ – リラックマのがまぐち 羊毛フェルトキット(1,302円)
かわいいがま口が自分の手で作れちゃう
かわいらしいがま口のお財布です。キットなので必要な材料がそろっています。粗目の質感からも手触りが伝わってきますね。リラックマの世界観と合っていて、良いのではないでしょうか。リラックマファンにはとてもおすすめです。
もちろん作り方が書いてあるので、自分で設計しなくても簡単に完成へと近づけることが出来ます。完成品は小銭入れなどの実用品として残るので、ニードルフェルトに慣れている方にも、初心者の方にも、満足のいくものではないでしょうか。
ハマナカ – ナチュラル シロップシャー(729円)
しっかりと太い毛でナチュラルな風合い
洗っただけのナチュラルな風合いの羊毛です。シロップシャーというのも羊毛の種類で、非常にしっかりと繊維が絡むので、バッグづくりにも向いています。自然な黄色みがかった風合いは、観葉植物のハンギングバッグにもおすすめです。
ナチュラルメリノ同様、ハマナカのナチュラルシリーズです。染料など皮膚刺激が苦手な方とっても、安心して使うことが出来る商品です。素朴な風合いで、羊のマスコットを作るときにもリアル感が演出できて良いですね。
初心者にもおすすめの羊毛フェルト
ラ・メール株式会社 – 『ふわっとプチマフラー』キット2(1,287円)
半フェルト状だから初めてでも簡単
マフラーを作るためのキットです。途中作りたいカタチにカットする工程もあるので、自分なりのオリジナリティーを表現することも出来ます。半分フェルト状になっているので、まとまりやすく初心者でも取り掛かりやすいキットです。
カラーバリエーションもいくつかあり、とても素敵に仕上がります。メリノウールなのでなめらかですし、肌を傷つけにくいです。羊毛なので充分に冬を温かくしてくれます。編み物まではできないけどこれなら挑戦できそうという方にもおすすめです。
ハマナカ – ニードルハンドフェルト スターターセット(1,188円)
初心者に優しいセットで実用品を作れる
初心者が羊毛フェルトを始めやすいように考えられた商品で、必要な材料が揃っています。羊毛フェルト作品が4つできるようになっていて、針に触るのが初めてという方にもおすすめです。
もちろん水フェルトだけで完成させる場合は、このキットだけを買えば十分楽しめます。さらにニードルフェルトをする場合には、針が付いていないため、別途購入する必要があります。ただ、羊毛フェルトの本当のはじめの一歩を踏み出すには最適な商品です。
ハマナカ – マルからつくる フェルト羊毛キット「あざらし&ペンギン」(574円)
初心者でもかわいい小物が作れる
マルからつくるというタイトルの通り、まずマルを作ってからマスコット型に形成していくというプロセスのわかりやすいキットです。そのため、初心者でも作るイメージの湧きやすい商品になっているのが魅力です。同シリーズでひよこなどのマスコットが作れるものもあって、バリエーションが選べます。
有名なフェルト作家の大古ようこさんが監修しており、プロと同じ作品が初心者でも作れるところも魅力です。完成品はとってもかわいらしいので、初心者ながら完成の達成感をより味わえるのではないでしょうか。羊毛フェルトを続けたくなる工夫が満載です。
HappyHome(ハッピーホーム) – 羊毛フェルト フェルティングニードル セット(1,080円)
必要な道具が一式揃っていて迷わない
ハサミやニードル等、どの道具を揃えて良いかわからない初心者でも、これを一つ買うだけで大丈夫という嬉しいセットです。何度も道具をを揃えるために、交通費などをかけて買いに行く必要がありません。買い足すのは羊毛だけ。もちろん指サックもついてきます。
目打ちや太さの違うニードルも揃っているので、今後趣味として羊毛フェルトを続けていく方にとっても、大変重宝するのではないでしょうか。すべてが収まるケースも付いてくるので、使わない時もコンパクトに収納できますよ。
まとめ
何を作るかを決めて羊毛の質や色を選ぼう
羊毛フェルトと一言で言っても、何を作るのか、質感をどう仕上げるのかで、使う材料が全く違ってきます。仕上がりのなめらかさにこだわる場合はメリノ、頑丈な作りにしたい場合はロムニーなどと、その素材の特性を知って制作する必要があるので奥深いですね。制作する時にはそうしたことを踏まえ、唯一無二の自分だけの作品が作れてくると、羊毛フェルトの達成感も上がっていきます。様々な羊毛を駆使して、自分だけの羊毛フェルト作品を作ってみてはいかがでしょうか。